東京都民銀行 Research Memo(2):首都圏が営業エリア、融資は中小企業向けが高い比率

2013年7月29日 18:40

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記事提供元:フィスコ


*18:40JST 東京都民銀行 Research Memo(2):首都圏が営業エリア、融資は中小企業向けが高い比率

■会社概要

(1)事業概要

東京都民銀行<8339>は首都圏を営業エリアとし、中小企業向けを主要顧客とした銀行業を営んでいる。店舗数は2013年3月末現在で77店舗、うち東京72、神奈川、埼玉各2、千葉1店舗という内訳となっており、大半を東京都内で占めている。

2013年3月末の預金等残高は単独ベースで2兆3,619億円、貸出金残高は1兆7,869億円となっている。創業以降の残高推移はグラフの通りで、貸出金残高に関しては1990年代以降、国内景気の長期低迷により頭打ちの傾向となっているが(ピークは1995年度1兆9,836億円)、預金等残高に関しては前年度末比では若干減少したものの、緩やかながらも上昇トレンドを続けている。また、事業エリア内における融資額の市場シェアは1%程度にとどまるが、同行がメインの取引先としている年商5~100億円の中小企業向けだけに絞ると、シェアは10%程度となる。

貸出金を顧客別でみると、2013年3月末では中小企業向けが全体の53.6%を占め、次いで個人向けが26.1%(住宅ローンが約7割)、大企業・中堅企業向けが20.3%となっている。中小企業と個人で79.7%の比率を占めるが、同業の地方銀行が中小企業と個人で70%の水準であることからすると、中小企業向けの融資比率が高い銀行であるということも、同行の特徴の1つと言える。

次に、貸出先の主な業種構成比をみると、製造業、卸売・小売業、不動産・物品賃貸業の3業態で全体の4割超を占めているが、いずれも構成比としては低下傾向となっており、逆に、金融・保険業、地方公共団体の構成比が上昇していることがわかる。ただ、地方公共団体に関しては、国債運用との利回り格差などを考慮して、国債からシフトしたものであり、今の水準から更に拡大することはないとしている。

不良債権残高に関しては2013年3月末で709億円と2期連続で増加した。2013年3月で中小企業金融円滑化法の期限が到来したことで、査定を見直したことが主因だ。なお、融資先企業への対応については、円滑化法の期限後も従来どおりの対応で変わりないとしている。2014年3月期においては再生ファンド等を活用し、区分の改善や事業再生に努め、不良債権比率を3%台前半まで引き下げていく方針だ。

なお、同行はグループ会社として連結子会社を6社、関連会社1社を保有している(2013年3月末時点)。前年度末から連結子会社が2社減少したが、このうちとみんビジネスサービスはとみん銀事務センターと合併、Tokyo Tomin Finance(Cayman) に関しては清算されている。これら子会社群はその他事業としてセグメントで区分されているが、経常収益が内部取引分も含めて約17億円と連結全体の4%弱にしか満たず、セグメント利益も2億円弱となっており、連結業績全体に与える影響は軽微と言える。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤譲)《FA》

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