東京都民銀行 Research Memo(3):ビジネスモデル特許を持つ前給で同業他社と差別化

2013年7月29日 18:41

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記事提供元:フィスコ


*18:41JST 東京都民銀行 Research Memo(3):ビジネスモデル特許を持つ前給で同業他社と差別化

■会社概要

(2)前給(まえきゅう)について

東京都民銀行<8339>が2005年にビジネスモデル特許を取得した前給は同行サービスの特徴の1つである。「前給」とは、前給システムを導入した企業で勤務するパート・アルバイト、派遣社員などの非正規社員が、すでに働いた範囲分の給与を、給料日前に自分の口座に振り込みできるようにした給与随時支払サービスのことを言う。2005年1月から同サービスを開始し、2013年3月末には契約社数が459社、約45万人が登録し、実際の利用者数(件数)も月間で57,000件を超えるなど順調に拡大している。

導入企業は日本マクドナルドや松屋フーズ、大戸屋など大手の外食チェーン企業や警備会社など非正規社員数が多い業種を中心に普及が進んでいる。国内労働市場のなかで派遣社員など非正規社員数が増加していることも、契約社数が順調に拡大している背景にある。

企業側が前給を導入するメリットとしては、従業員の退職率が低下し、人員の採用費や教育費用などに掛かるコストが圧縮されるといった点、あるいは前給制度に対応することで人材を募集しやすくなるといったメリットが挙げられる。また、実際の利用者にとっては、日々の生活の中で急に資金が必要になった際に、簡単に給料を引き出すことができ、利便性が格段に向上することになる。従来までは、急な資金が必要になった際はキャッシングローンなどを利用しなければならなかったが、自身が働いて得た給与を給料日前に受け取るシステムであるため、心理的な負担も大きく改善され勤労意欲も向上する。

同行にとっては利用者からの振込手数料に加えて、企業からも登録者1人当たりの手数料を得ている。年間の収益としては2010年3月期以降黒字転換しており、現在は年間で数億円レベルの黒字となっているとみられる。ビジネスモデル特許を取得しているため、同業他社との差別化を図る上で、同行の強みの1つになっていると言えよう。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤譲)《FA》

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