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明豊ファシリティワークス Research Memo(7):2013年3月期は幅広い業種からの受注拡大で増収増益
*17:25JST 明豊ファシリティワークス Research Memo(7):2013年3月期は幅広い業種からの受注拡大で増収増益
■業績動向
(1)2013年3月期業績について
明豊ファシリティワークス<1717>の2013年3月期の業績は、売上高が前期比46.2%増の7,129百万円、売上総利益が同24.8%増の1,342百万円、営業利益が同71.9%増の452百万円、経常利益が同21.8%増の182百万円、当期純利益が同103.1%増の108百万円となり、リーマンショックの影響で赤字となった2010年3月期を底にした回復トレンドが継続している。CM事業において建物の改修・改装工事や設備更新など幅広い業種からの受注が拡大しているのが主因だ。また、CREM事業においても金融機関や大手企業からの引き合いが増加し、利益増に貢献した。
売上高の伸び率が高くなっている背景は、2010年以降に「アットリスクCM方式」によって受注を獲得した大阪府立大学の学舎全体を見直す長期プロジェクトのうち、校舎改修工事の売上高が前期比で約2,000百万円強の増収(2012年3月期売上高は519百万円)となったことが大きい。
大阪府立大学のプロジェクト案件については、特殊な契約内容となっているため若干の説明を要する。同プロジェクトは一般公募案件に対して、同社が「アットリスクCM方式」を用いて金融機関と共同で応募し、総合評価方式に基づいて受注したもので、資金調達については当該金融機関がバックアップするスキームとなっている。プロジェクトの工事代金は、期間10年での分割支払が条件となっているために、10年分の金利相当額が完成工事売上高に加味されている。同社では完工と同時に完成工事債権を保有することになるが、資金回収が長期にわたることから、同債権を共同提案した金融機関に売却することによって、資金の回収を早期に行うスキームとなっている。
従って損益計算書上では、営業外費用として売上債権売却損が計上され、同額分が売上高及び営業利益に加算される格好となっている。このため、2012年3月期以降の業績をみるうえで、正確に収益動向を反映しているのは経常利益ベースであり、営業利益には同プロジェクトの完成工事債権の金利相当分が含まれていることには留意する必要があろう。ちなみに、同債権の売却損として2012年3月期に106百万円、2013年3月期に265百万円がそれぞれ計上されている。
また、2014年3月期においても同大学のプロジェクト売上高が継続して入る見込みで、債権譲渡損に関しても235百万円を計画に織り込んでいる。
2013年3月期の業績を事業セグメント別にみると、オフィス事業が減収減益となる一方で、CM事業が増収増益、CREM事業も減収ながらも増益となっている。CM事業の売上高、利益がともに大きく増加しているのは前述したアットリスクCM方式の大阪府立大学のプロジェクトが寄与した影響が大きいが、その影響を除いたベースでも同事業の収益は増収増益となっている。バブル期に建設された建物の基幹設備老朽化に関連して、改修・改装や設備の更新などの引き合いが幅広い業種から増えているのが背景だ。特に、最近では既存顧客の紹介による新規顧客が増え、企画構想段階から関与する傾向にあり、また、受注規模の大型化が進んでいる。
一方、CREM事業においては減収となったものの、生産性が改善したことで増益となった。金融機関などから、以前より受注している既存設備のER(※1)や耐震性能の検証業務、LCM(※2)の依頼などの引き合いが増加しているようだ。また、設備の老朽化等により受変電設備の更新や自家発電設備の導入を行う企業が増え、同社に見積もりや調達支援を依頼するケースも増加している。さらに、地方銀行や信用金庫などでは、店舗の機能やデザインを見直す提案が受け入れられ、今後グループ他店舗への展開が期待されている。
オフィス事業においては減収減益となったが、これは同事業における需要が減少しているわけではなく、大型CMプロジェクトの案件が増加したことで、人的リソースをCM事業へ割り当てた影響による。オフィスの新設・移転需要自体は引き続き旺盛であり、スピードと同時にコスト低減が求められるなかで、高品質のオフィス作りを得意とする同社の設計・PM(プロジェクトマネジメント)サービスは引き続き高い優位性を維持しており、今後も十分成長余地はあるとみられる。
(※1)ER(エンジニアリングレポート):工学的視点から建物状況を調査・レポートするもの。建物の物的価値を正しく判断するためのツール。
(※2)LCM(ライフサイクルマネジメント):建築物のライフサイクルにわたって建築物の各役割における効果や維持向上、並びに費用削減を総合的に行うとともに、生涯の二酸化炭素削減も考慮し、最適な案を選択していくこと。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤譲)《FA》
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