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テクノアルファ Research Memo(10):エネルギー需要の拡大がパワー半導体の成長拡大要素
*17:08JST テクノアルファ Research Memo(10):エネルギー需要の拡大がパワー半導体の成長拡大要素
■業績動向
(4)中期的見通しについて
中期的にテクノアルファ<3089>の業績を牽引する事業としては、半導体装置とSI事業が注目される。半導体装置では主用途先であるパワー半導体の市場動向が鍵を握るが、矢野経済研究所の予測によれば、パワー半導体の市場は2012年の135億ドルから2020年は290億ドルとなり、年率で10%の成長が見込まれるとしている。また、そのなかでSiC(炭化ケイ素)やGaN(窒化ガリウム)系の材料を用いた次世代パワー半導体に関しては年率57%成長と急速に拡大し、2020年時点で29.8億ドルとパワー半導体全体の1割程度まで成長すると予測している。
パワー半導体は、白物家電や自動車、鉄道、エレベータ、産業機器分野など様々な分野において、省エネを進めるうえでは必須の回路となるインバータ(直流を交流に変換する回路)や電源回路に搭載される半導体で、電力変換ロスが小さく、200℃以上の高温下でも正しく動作する耐環境性に優れた次世代パワー半導体が2012年頃から少しずつ立ち上がっている段階にある。次世代パワー半導体に関してはまだSiCウェーハやGaNウェーハの価格が高いため、普及が進んでいないが、ウェーハメーカーが6インチ化を進めるなど今後は量産拡大によるコスト低減が進んでくるものと予測されている。
エレクトロニクス製品の普及が新興国でも進み、世界的な電力消費量が増え続ける中で、省エネ化に向けた対策はエネルギー問題に直面する国々にとっては喫緊の課題となっている。また、自動車分野においてはハイブリッドカーの普及や電装化の進展などでパワー半導体の搭載数量も増加傾向が続いている。こうした市場環境がパワー半導体の成長拡大を見込む根拠となっている。
日系半導体メーカーにとってはまだ競争力を維持している数少ない分野であり、成長拡大に向けた設備投資も今後、継続的に行っていくものと予想される。国内シェアの約5割を握る同社にとっても、引き続き成長が期待できる分野となる。
また、自動車やエアコン、産業機器向けなどに少しずつ立ち上がり始めている次世代パワー半導体に関しては、その大きな特徴の1つとして200℃以上の高温下でも正常動作が可能といった長所を持っている。このため、100℃以上の高温度環境下での使用条件が課せられる自動車分野向けにおいての需要拡大が期待されている。ワイヤボンダーに関しては高温環境下における信頼性向上を図るため、新たなボンディング技術が要求されている。このため、装置本体に関しても新たなそうした要求に対応した新たな装置が必要となり、同社にとっては新規の装置需要が立ち上がるという点において業績面でプラスになるとみられる。
一方のSI事業においては現在開発中の「電磁ノイズ検証システム」の売上高拡大が期待される。同システムは電子機器などが発生する電磁ノイズの発生状況について、卓上型ノイズ測定器とスキャナー及びデータ解析ソフトだけで、対象物から3~10m離れた地点において、どのようにノイズが発生しているかを推測し、グラフ化できるようにしたシステムだ。従来であれば、ノイズ発生源となる対象物から一定以上離れた距離においてノイズの発生状況を計測するには、電波暗室という専門の施設で何度も計測する必要があったが、同システムを使うことによって簡便に検証できるようになるというものだ。機器の開発メーカーにとっては、電波暗室で計測する回数を大幅に減らすことができ、開発費用の削減につながるといったメリットがある。2014年3月頃を開発の目途としており、開発後初年度の販売目標は8台で200百万円、2015年度は20台で500百万円、2019年度には1,400百万円を国内外で販売することを目標に掲げている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)《FA》
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