インドの学校給食に殺虫剤?

2013年7月18日 21:30

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記事提供元:NewSphere

 16日、インド東部のビハール州で、毒物が混入したと見られる給食を食べた約50人の児童が体調不良を訴え、うち22名が死亡し、数十名が入院した。17日、州当局が発表した。

 毒物の混入に関して詳細は明らかにされていないが、殺虫剤に含まれる有機リン酸化合物が混入されていたとウォール・ストリート・ジャーナル紙は報じている。

 児童と調理師は味の異変に気づいていたという。児童らは給食を食べてから30分以内に体調不良を訴え、1時間後に亡くなった児童もいるとニューヨーク・タイムズ紙は伝えている。

 児童の死亡後、事件のあった学校の女性校長は夫とともに行方をくらませている。校長は夫が経営している店から食料を調達しており、保護者から非難を逃れるため、逃亡したと見られ、警察は捜索を続けているとウォール・ストリート・ジャーナル紙は報じている。

 さらに17日、この事件に対する抗議として数百人の地元住民による暴動が起こったが、警察により鎮静された事を海外各紙は報じている。

【政府によるインドの給食】

 事件のあった小学校は、インド政府による給食政策によって昼食を提供されていた。この政策は子供たちに1日に1食は温かい食事を提供するためのものだが、これまでにも給食政策によって提供された食事にトカゲが混入しており、児童が体調不良を訴えた例や、虫やネズミが混入されていた事例等、管理の甘さを海外各紙は紹介している。

 現在の給食政策は25億トンの食料が60万校の学校に支給されており、この政策は国の食料調達の主要企業である食品会社によって運営されている。

 政府は農家から穀物を買い上げる事を保証しており、需要以上の量の穀物が最大3年間、ひどい状態で保管されている事をウォール・ストリート・ジャーナル紙は報じている。

 しかしながらインドでの他の政策同様、管理不行き届きの給食政策を厳格に管理するのは難しい、という当局の見解をニューヨーク・タイムズ紙は伝えている。

【食中毒が政治に落とす影は】

 事件のあったビハール州のクマール首相は来年の国民選挙に向けて、インド国民会議派として活動するため、インド人民党との連携を止めている。クマール首相は数十年に及ぶ失策の後のビハール州で良き統治を行ってきたとされる。

 しかしながら、今回の事件で、病院へ運ばれた児童を迅速により良い医療施設へ搬送するのではなく、亡くなってから賠償金を払うといった対応をとったことで、インド人民党は同氏を非難している。

 また政権の元での給食政策での管理不行き届きや医療体制の脆弱さがこの事件によって浮き彫りになった今、クマール首相はその評判に影を落とす事になるかもしれない事を海外各紙は伝えている。

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