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ダイコク電機 Research Memo(4):ホールコンピュータは40%のトップシェア
*18:37JST ダイコク電機 Research Memo(4):ホールコンピュータは40%のトップシェア
■会社概要
ダイコク電機<6430>の各事業の主要な製品、サービスは以下の通りである。
(1)情報システム事業
ホールの経営管理や営業を支援する製品群やサービスがラインアップされており、利益率が高いことに特徴がある。具体的には、ホールの各台データを収集し、経営管理支援を行う「ホールコンピュータ」、ホールコンピュータを通じて得たデータの収集・分析などを行うコンサルティング「ホールの経営支援サービス」、戦略情報システムである会員制情報提供サービス「DK-SIS」、来店客に台の情報などを提供する「情報公開システム」、玉計数機、景品管理POSといった「景品顧客システム」、CRユニットなどがある。なお、ホールコンピュータに関しては単体の販売よりも、コンサルティングサービスを付加し、システム一式として販売するケースが多い。
○ホールコンピュータ
ホールに設置してある1台1台の玉の出入り、大当たり回数などを総合的に管理するコンピュータのことで、経営管理を支援する中核システムである。パソコン上でホールのパチンコ・パチスロ台の稼動状況を表示するほか、夜間に台に不正な操作が行われたときには、それをチェックして、管理者に知らせるといった機能を持つ。
経営管理機能とは、たとえば、「誤差玉」のチェック機能が挙げられる。閉店後に景品交換に使われた玉と実際に出た玉の数が合わないことを「誤差玉」という。通常は床などに玉が落ちるといったことが原因で出玉より景品交換に使われた玉のほうが少ないのが普通である。しかし、これが逆だった場合、台が故障しているか、来店客の誰かが外から玉を持ち込んで景品と交換した可能性が生じる。放っておくとホールにとっては死活問題になる。ホールコンピュータは、誤差玉の発生をチェックして知らせるほか、原因となった台の特定も行える。
同社のホールコンピュータは見やすさや操作性に優れており、国内で40%のトップシェアを持つデファクトスタンダードになっている。
○ホールの経営支援サービス
「MIRAIGATE」の名称でホール向けに提供している同社独自の経営支援サービスである。ホールの営業戦略、集客戦略、運用管理を支援する。ホールコンピュータなどのシステムのほか、システムから集計したデータの詳細な分析サービス「C2-SIS」、様々な問題にオペレーターが専用IP電話で直接対応する「パートナーズセンター」など、システムとスタッフが総合的にホールの経営を支援する。
○会員制情報提供サービス「DK-SIS」
ホールの日々の営業データを受け取り、それを分析・加工したうえでフィードバックし、店舗経営を支援する、業界唯一の会員制サービスである。会員店舗数3,591店舗、パチンコ・パチスロ台数約120万台、設置シェア26.3%、取り扱いデータの規模は年間9兆4,000億円(2013年3月期)にまで成長。経営支援、ファン層への情報公開などの基盤として業界内外に対するシンクタンクとして機能しており、事実上の業界デファクトスタンダードになっている。
○情報公開システム
遊技客向けに遊技台の出玉情報を開示する機器やサービスである。来店客に店内情報などを提供することによってより楽しくパチンコ・パチスロを楽しんでもらう。1991年に同社が業界で初めて販売を始めた。データロボ「VR-77」、呼び出しランプ「BiGMO」「IL-X」、携帯・スマートフォン・PC用出玉情報サイト「データロボサイトセブン」などの商品がある。
データロボ「VR-77」は、平均よりも玉が多く出ている台などの情報を来店客に提供する機器の新製品である。来店客は、会員になることによって、より詳細な台データが閲覧できるうえ、自分が必要な情報をすぐに取り出せる。「おサイフケータイ」に直近180日間の来店記録を蓄積できる「ぷれぱち」という機能なども付いている。
呼び出しランプは、もともとトラブルや大当たりなどで店員を呼び出すための機器であったが、最新機種の「BiGMO」「IL-X」では、持玉の数や、大当たりの回数、最近の出玉の傾向なども分かりやすく表示する。
「データロボサイトセブン」は、携帯電話やスマートフォンを通じて来店客に情報を提供する、業界初の出玉情報サイトである。
○景品顧客管理システム
CRユニット「VEGASIA」は、プリペイド式台間貸玉機の新製品である。台と台の間に取付け、来店客はプリペイドカードを購入して貸玉機から玉を出す。新製品は、カードの盗難防止など高いセキュリティ機能を搭載している。プリペイドカード情報はカラー液晶画面で表示。業界で初めてとなる顔認証機能をオプション搭載。来店客ひとりひとりの店内での動きをデータ化することで、ホール側の顧客管理に活かすことができる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト柄澤邦光)《FA》
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