ソフトバンテク Research Memo(13):既存事業内での変革とともに新規事業の拡大も加速

2013年7月16日 17:45

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記事提供元:フィスコ


*17:45JST ソフトバンテク Research Memo(13):既存事業内での変革とともに新規事業の拡大も加速

■中期的な見通し

ソフトバンク・テクノロジー<4726>は阿多社長就任後、攻めの経営に一気に舵を切る姿勢を明確に表明している。具体的な方針を改めてまとめると、次のようになる。

まず、既存の事業内での変革である。イービジネスサービス事業では、EC BPO中心の収益構造を、需要拡大が見込めるWeb MarketingやECプラットフォームサービス、Webフォントサービスの拡大に力を入れることで変革する。一方、EC BPOに関しては、国外、特にアジアでの拡大を図る。

ソリューション事業では、機器販売に代表される一度きりのワンタイムビジネスから、サービス提供に代表される継続的な収入源となるリカーリングビジネスへと比重を移す。これにより、安定的に収益を生むビジネスモデルを拡大する。

さらに、イービジネスサービス事業とソリューション事業を融合させた新規事業として、ビッグデータ分野の売上を拡大していく。

たとえば6月18日には、東京理科大学とビッグデータを活用したデータマイ二ングに関する共同研究の開始を発表した。ECサイトのアクセスデータや会員向けのメールマガジン配信データ、限定的キャンペーンなどのイベントデータといったビッグデータはこれまで個々のデータとして扱われてきた。しかし、共同研究では、これらを連携させて分析することで今まで導き出せなかった、ユーザーの心理の変化や行動パターンを見つけ出すことが期待できる。そして、この結果をECサイトの経営戦略に活かしていくこともできる。

ビッグデータ分野以外の新規事業を拡大させていく方針も加速させる。リサーチ&ビジネスディベロップメントを中核に、最先端の情報通信技術を同社の新規事業に結び付けていく。また、M&Aについても今後とも積極的に推進していく方針である。

なお、2013年3月期の営業利益の減益要因となった人員の拡充と設備投資の増加は、次のようになっている。

まず、人員の拡充に関しては、技術者、営業員を中心に拡充を図り、前期末比で58人純増の484人となった。

設備投資に関しては、619百万円を拠出、この結果、販管費および一般管理費は前期比で23.0%増加した。

これらは営業減益の大きな要因であるが、中長期的な成長戦略をにらんだうえでの方策である。まず、人員増に関しては、大型案件の獲得が主な目的となっている。同社は大型案件を受けるための人員リソースが不足していたが、今回の人員拡充である程度の大口案件に対応できる体制が整った。今期もソフトバンクグループ向けをはじめとして顧客の需要が引き続き旺盛なことから、引き続き高水準の採用を継続することで受注拡大に取り組む方針。

また、設備投資に関しては、社内システムの変更を行ったほか、東京・汐留に拠点を開設、さらに香港および台湾に現地法人を設立するなど積極的な成長基盤の拡大・構築を行った。これら投資は、先に紹介した社内の特別組織であるリサーチ&ビジネスディベロップメントとの相乗効果によって今後の成長の大きな原動力としていく方針である。

これらの投資を行っての2013年3月期の数値は、人材採用を抑制していれば二桁増益が達成できていたことになり、見た目以上の潜在力を感じさせるものとなる。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 柄澤邦光)《FA》

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