ティア Research Memo(8):高齢人口増加と地域寡占化が進む中、全国展開でシェア拡大

2013年7月11日 17:34

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記事提供元:フィスコ


*17:34JST ティア Research Memo(8):高齢人口増加と地域寡占化が進む中、全国展開でシェア拡大

■成長戦略

(1)市場動向

葬儀業界の市場規模は2013年で約1兆9,000億円規模になるとみられている。また、人口問題研究所が発表している年間の死亡人口予測をみれば、今後は高齢者人口の増加もあって、2039年まで緩やかに増加していくとみられている。今後10年間だけでみても年率1.8%のペースで増加が続く見通しだ。伸び率は低いものの、葬儀業界は確実に市場が伸びる数少ない業界と言える。

こうした市場環境の中で、葬儀社の数は個人事業主を含めると約5,000社(単独事業所+本社)ある。以前は冠婚も含めた冠婚葬祭業を営む事業者も多かったが、最近では農協や電鉄会社、ホテルなど他業種からの参入が増えているのが特徴だ。また、個人事業主の数が減少傾向にあるほか、資本金が1,000万円未満の零細企業の数も減少し、逆に大規模法人が増えていることが表から見て取れよう。葬儀単価の下落傾向が続く中で、個人事業主や零細企業にとっては経営環境の厳しさが増しており、経営者の高齢化によって廃業するケースも増えていると言う。

一方で、大企業が拠点の拡大や、FC展開によって営業エリアの拡大を進めていると言うのが、現在の業界トレンドになっている。大手事業者による寡占化が進んでいる状態だが、それでも、まだ全国展開している企業はなく、地域内だけの動きに留まっている。業界最大手でも市場シェアは1%未満の水準だ。冠婚葬祭業界においては地域ごとに組織された互助会制度が広く普及してきたことが主因とみられるが、市場環境がよりオープンとなった現状においては利用者の選択肢も広がっており、市場シェアを拡大していく好機とも言える。全国展開を目標としているティア<2485>にとっては、開拓する市場は首都圏を中心としてまだ大きく残されており、価格競争力や質の高いサービスを提供していくことで、シェアを拡大していく可能性が高いと弊社ではみている。

なお、市場全体の葬儀単価については、ここ数年1~2%程度のペースで下落している。核家族化の進行で葬儀参列者の数が少なくなっており、以前よりも葬儀規模が小さくなってきていることが主因だが、同社のように適正な価格で費用見積もりを行う業者が現れたことも、業界内での価格競争を引き起こし、単価の下落になって表れているものと考えられる。今後も葬儀単価の下落傾向は継続するとみられ、葬儀内容や葬儀形態も二極化が進むとみている。今後はいかに葬儀単価の維持向上を図ることができるかも、経営面で重要なポイントになってこよう。

現在、業界平均の単価は140万円となっているのに対して、同社の平均単価は110万円弱と約2割低い水準であり、当面は業界内における価格優位性を保てると弊社ではみている。現段階においては、業界全体の単価下落の影響を受けにくいといえるだろう。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤譲)《FA》

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