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日本トリム Research Memo(16):10年後に連結売上高1,000億円を目指す
*18:59JST 日本トリム Research Memo(16):10年後に連結売上高1,000億円を目指す
■中長期経営計画
日本トリム<6788>は、先行き不透明な世界経済の状況下で10年後の事業目標を公表している。10年後には、連結売上高1,000億円を目指すという目標である。
同社は、この目標を打ち出した根拠と、計画達成のための各事業部門別の数値目標も明らかにしている。
まず、国内の整水器事業に関しては、全世帯に占める普及率が20%、台数で1,000万台になると予想、これに基づいて総市場規模が1兆円になると想定している。同社は、このうちのシェア30%、300万台の普及を目指す。300万台の普及が実現すれば、浄水用のカートリッジは、交換率を70%として210億円/年の売上が見込める。
同社では、計画実現のために、2014年3月期に営業所を3か所新設するのを皮切りに、最終的には、現在全国25か所の営業所を50か所に倍増する。工場の生産能力は、現在の2倍程度までは可能だが、売上の増加に伴い、工場設備も増設していくことになろう。
製品に関しては、普及を促進するために、低価格帯の製品を投入することも検討する。
販売ルートも、新しいルートを構築していく。たとえば、マンションやオフィスビルのデベロッパーと提携し、これらを通じて、新築物件にあらかじめ組み込むことなどを検討していく。
また、販売効率の目標値の見直しも行う。現在のようにセミナー1回当たり何台を販売できたかを基準にするのでなく、参加者の何%が購入してくれたかを基準にする。セミナーごとに参加者数は変化するため、販売台数の絶対数を基準にすると、本当の意味での販売効率が明確にならないためである。この新基準によると、現在の契約率は16%程度になるが、当面25%を目標値として引き上げていくとしている。
一方、医療関連事業は、透析の分野で電解水透析用整水器の普及率を50%とし、総市場規模120億円と予想。
農業分野では、「還元野菜」を生産するための農業用整水器の普及率を20%と想定。金額では総市場規模2,000億円と予想している。
また、今後進出を予定している工業分野は、工業用整水器の総市場規模が150億円。
海外は、中国では、整水器の予想市場規模(年)を800億円、台湾では100億円を想定している。インドネシアではボトル水販売で30億円の売り上げを目指す。
売上高1,000億円の達成のために今後、「対前年度比で倍々の成長率を目指す。最低でも、50%の成長は必須」としている。
これら長期計画の数値は、10年後の市場規模の想定からして同社が算出したものであり、専門のシンクタンクの試算といった“お墨付き”があるわけではない。しかし、同社は、すでに規模が決まっている市場でシェア争いをするのではなく、自ら市場を創造して事業を拡大するビジネスモデルを展開している。10年計画を見ていく上では、この点に留意する必要があるだろう。今は、はっきりとした裏付けのない数字かもしれないが、同社の“市場創造力”を考慮すれば、決して、絵に描いた餅とはいえない。
なお、利益面の目標として、同社は、売上高経常利益率25%を中期目標として掲げている。2013年3月期は22.8%だが、同社のビジネスは、ある一定の水準以上の売上を計上すると限界利益が急上昇する。したがって、売上高が拡大していくことを想定すれば、十分達成可能な目標といえる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト柄澤邦光)《FA》
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