アールシーコアCORPORATE RESEARCH(6/16):BPは経営不振の地区販社を引き継いだ部門

2013年6月20日 17:41

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記事提供元:フィスコ

*17:41JST アールシーコアCORPORATE RESEARCH(6/16):BPは経営不振の地区販社を引き継いだ部門

■事業概要

◆BP部門:経営不振の地区販社を引き継いだ部門

BP(BESSパートナーズ)部門は2009年度に設立され、全社で一番若い部門となる。2012年度実績でBP部門が全社売上に占める割合はおよそ13%。損益的には2012年度に黒字化を達成したものの、まだその規模は小さく、全社利益への貢献度は僅かなものに留まっている。

基本的にこの部門は販売を担う会社があるという点で地区販社と共通している。ただし、販売や施工・工事を担当するのが独立資本の地区販社ではなく、アールシーコア<7837>の100%子会社BESSパートナーズであるという点が決定的に異なっている。現在は札幌と岐阜の2拠点体制。独立した販社とフランチャイズ契約せず、敢えて100%子会社を販社としているのは、当該地で新たにパートナーシップを組んでブランドの価値を守ることのできる独立販社が見当たらなかったため。札幌、岐阜とも、当初は独立販社との通常の契約形態にあったものの、両社の経営不振を受け、住宅事業をアールシーコアが買い取る形で発足している。


◆現状は過渡的な色彩が濃いが・・・

前段の販社部門がフランチャイズとの相互補完によって高収益を確保する仕組みにあるのだと考えると、当然、自社(100%子会社)で販社機能まで手掛けるこの方式は決して望ましいことではない。アールシーコアとしては、不得意な施工・工事に関与しなければならないうえ、土地勘の薄い地域で他社との競合に直面してしまうためである。そういった観点からすると、この部門はやや過渡期的な色彩が拭えない。現状は不振会社からの立て直しが急務ではあるものの、それらが一巡してきた段階では、将来的には独立販社システムに何らかの形で移行していくものと予想される。もしくは、地区販社との相互補完システムを超える何らかのメリットを見出し、現状をより発展させていくか、ということとなろう。


◆・・・社員に販社目線を理解させるためには絶好のファンクションでもある

後者のケースの具体例としては、社員教育メリットが挙げられる。アールシーコアではブランド育成を主力に据えていることから、社員の約3分の2は管理や企画、後方支援部隊に従事しており、営業最前線とは一線が画されている。残り3分の1の社員は直営拠点(直販部門)で最前線にはあるものの、大都市立地というある意味特殊な現場であり、消費者のトレンドや感性を知るうえでは極めて重要ながら、全国の販社とは消費者を見る視点において微妙に温度差が生じかねないポジションにある。しかし、販社とのパートナーシップをより強固にするためには、このギャップを如何に埋めるかは非常に重要である。BP部門は、そういったことを社員に教育するのには絶好のファンクションとなる可能性があろう。

ただし、地区販社との相互補完システムを超える強力なメリットが見出された場合は、今度は前段で詳述した地区販社システムそのものの存在意義が改めて問われる状況となる。当面の課題は安定的な黒字体質の定着ながら、中期的にはこの部門がアールシーコアの今後の方向性を決めていくパイロットプラント的な役割を担うことになるかもしれない。


◆損益分岐点は年率換算でおよそ売上12億円程度

なお、2009年度の発足以来、BP部門での累積営業赤字は1.8億円。ただし、2011年度以降は四半期ベースでも売上高が安定してきており、徐々に改善が進んでいることがわかる。2012年度は通年での黒字達成ともなった。とはいえ、四半期単位ではまだ黒字が定着したとは言い難い状態が続いている。損益分岐点は年率換算でおよそ売上12億円程度。黒字体質を定着させるには、もう一段の売上水準引上げが求められることになる(2012年度売上実績は13.3億円)。


株式会社エヌ・ジー・アイ・コンサルティング
長井 亨《FA》

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