【日経平均】後場崩れて13300円台も維持できず512円安

2013年6月3日 20:15

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記事提供元:エコノミックニュース

 前週末5月31日のNYダウは208円安。シカゴ購買部協会景気指数やミシガン大学消費者信頼感指数が市場予測を上回り午前はプラスでも引けにかけて急落した原因は、東京市場と同じくMSCIインデックスの銘柄入れ替えに伴うリバランス売り。3日朝方の為替レートはドル円が100円台半ば、ユーロ円が130円台後半と円高が進行し、取引開始前の外資系証券経由売買注文状況観測は株数も金額も売り越しで、外部条件は悪化していた。

 

 日経平均始値は223.18円安の13551.36円で、一時は13300円台に下落するがおおむね13400円台を維持。午前10時45分、HSBC製造業購買担当者景況指数(PMI)確定値49.2が出て、速報値の49.6からさらに下方修正で5月23日の速報値発表が暴落の引き金になったこともあり緊張が走るが、逆に11時台に13500円にタッチするなど前場は落ち着いた値動き。しかし後場は円高を背景に再び13300円台になり、2時台にはさらに13200円台まで落ちて、TOPIXは1100割れ。終値は512.72円安の13261.82円の安値引けで、TOPIXは-38.83の1096.95だった。今年3番目の下げ幅の日経平均は4月18日、TOPIXは4月5日以来の安値。売買高は40億株。売買代金は3兆286億円で5月8日から続く3兆円台をかろうじて維持した。

 

 東証1部の値上がり銘柄は107しかなく、業種別騰落率は全業種マイナス。下落幅が小さかったのは電力・ガス、卸売、水産、医薬品、空運、石油・石炭など。大きかったのは証券、不動産、その他金融、銀行、パルプ・紙、保険などだった。

 

 日経平均マイナス寄与度は「御三家」が上位を占め合計144円、足を引っ張った。日経平均225種のうち終値プラスは太陽誘電<6976>、ニチレイ<2871>、「水素発電所」の実用化技術を開発したニュースのインパクトが大きかった千代田化工<6366>、原発の廃炉費用を電気の利用者に負担させる経産省の方針が報じられて上がった関西電力<9503>の4銘柄しかなかった。

 

 債券先物市場は日銀の長期国債買入オペに加え、株を売って債券を買う動きが活発で大きく上昇し、長期金利は一時0.8%割れ寸前まで低下した。しかし不動産株が息を吹き返すことはなく、三井不動産<8801>は153円安、三菱地所<8802>は192円安。メガバンクはみずほ<8411>が12円安、三菱UFJ<8306>が32円安、三井住友FG<8316>が215円安で、新生銀行<8303>は値下がり率3位になった。地銀も東北銀行<8349>をはじめ9銘柄が年初来安値を更新する有様だったが、野村証券が投資判断を引き上げたスルガ銀行<8358>は66円高で値上がり率16位に入っていた。

 

 トヨタ<7203>が200円安、ソニー<6758>が111円安になる全面安の中で買われたのがバイオ、カジノなどのテーマ株や、個別に材料が出ていた銘柄、それに低位株。カジノ関連は、メダル計数機器最大手のオーイズミ<6428>が237円高で値上がり率2位、貨幣識別機の日本金銭機械<6418>が184円高で同5位に入り、セガサミーHD<6460>も50円高だった。この日発売の週刊東洋経済が「カジノ解禁」という特集記事を組みUBS証券がセミナーを開催するなど投資家の関心は高まっている。

 

 ニプロ<8086>は出資するリプロセル<4978>の上場期待で87円高で値上がり率11位。建機レンタルのカナモト<9678>は業績の上方修正を好感され9円高。なお、前週から異様な上昇を続けこの日も値上がり率1位の丸栄<8245>と3位の群栄化学<4229>は、東証が信用取引の日々公表銘柄に指定し、監視が強化されている。

 

 前場は好調だったのが商社株で、ブラジルの穀物大手セアグロ社を買収するという材料があった三菱商事<8058>や伊藤忠商事<8001>、住友商事<8053>が買われた。医薬品株も前場はアステラス製薬<4503>、塩野義製薬<4507>などが買われた。しかしどれも後場の下落の流れに巻き込まれた。

 

 この日の主役は業種別騰落率最下位の証券セクター。野村HD<8604>が66円安だった他、値下がり率ランキング20位以内に6位の大和証券G<8601>、10位の松井証券<8628>、12位のSBIHD<8473>、14位の岡三証券G<8609>、17位の東洋証券<8614>と5銘柄も入り、ネット証券のカブドットコム証券<8703>、マネックスGHD<8698>も下げ幅が6%を超えた。JPX<8697>は株式分割の発表も焼け石に水で220円安。前週は日経平均VIが上昇し、リスクを恐れて株式投資を手控える動きが生じて売買が薄くなり、個人投資家の退出も起きて証券業界は手数料収入の低下が懸念される。

 

 この日はアベノミクスの第一の矢、金融緩和の恩恵で上昇した不動産、銀行、証券が株価を大きく崩し、その多くが4月の日銀の異次元緩和政策発表以前の水準に戻ってしまった。時価総額が大きい銘柄が多いのでTOPIXを大きく下落させている。

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