伊藤忠、米国における次世代バイオディーゼル製造事業へ参画

2013年5月23日 12:54

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 伊藤忠商事は23日、伊藤忠エネクスと共同で、米国石油精製、バイオ燃料、化学品大手Flint Hills Resources LLCの100%子会社Flint Hills Resources Renewable LLCとバイオ燃料製造技術ベンチャーBenefuel, Inc.が米ネブラスカ州ビアトリス市で立ち上げる、年産5千万ガロンの次世代バイオディーゼル製造事業に出資参画したと発表した。同プラントの生産量だけで、現在の米バイオディーゼル生産量の約5%に相当する。

 これまでのバイオディーゼル製造技術では、原料油脂中に含まれる遊離脂肪酸が油脂をバイオディーゼルに変換する際の阻害要因となることから、高コストな精製工程を用いて遊離脂肪酸を取り除く必要があった。しかし、Benefuelの中核技術である多機能固体触媒と呼ばれる触媒技術を用いると、簡単なプロセスで遊離脂肪酸も油脂と同時にバイオディーゼルに変換することができる。この画期的技術により、エタノール工場から出る低質コーン油や廃食油、牛脂などの動物油脂、非精製油などの、安価だが遊離脂肪酸含有率の高い非食用原料を使用することが可能になる。

 一般的に、原材料はバイオディーゼル製造コストの70%から90%を占めることから、この特許取得済みのBenefuelのバイオディーゼル製造技術は従来技術に対して高い優位性を持っている。

 伊藤忠は2011年にBenefuelに出資し、同社の戦略パートナーとしてこの画期的技術の検証を行ってきた。今回の出資参画は米国のみならず、世界各国における次世代バイオ燃料製造ビジネス展開においても重要な一歩となる。

 同事業には、伊藤忠子会社で石油製品卸国内最大手の伊藤忠エネクスも出資参画致し、伊藤忠及びパートナー企業と協力しながらアジアを中心とした世界的バイオ燃料ビジネスの構築を目指す。

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