5月末権利付き最終の直近株式分割銘柄に「第2のガンホー」を狙って夜放れ展開を期待=浅妻昭治

2013年5月13日 09:55

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

<マーケットセンサー>

  夜放れである。しかも2回も立て続けに2回も示現されたのだからビッグ・サプライズこの上もない。1回目は、大型連休の谷間の5月3日で、米国NYダウが、1万5000ドル台にタッチして史上最高値を更新し、2回目は、連休明け後の9日で、やはり米国市場で為替レートが、あっさりと1ドル=100円台の乗せたのを引き金にした。

  この米国市場での株価、為替の相次ぐフシ抜けで、まさに「株価は夜作られる」とばかりに連休明け7日の日経平均株価は486円高、さらに10日は416円高とともに窓を開けて急伸し、5年ぶりの高値水準まで躍り出た。これだけ夜放れが続くと、投資家の株価細胞も破壊されそうで、リスク感覚も怪しくなってくる。多少のキズ程度には麻痺状態となって、動意付く銘柄に飛び乗らなければ、市場に取り残されるのではないかと焦燥感だけが強まることになる。

  月次売上高がマイナスになろうが、ファーストリテイリング <9983> を買い上がり、中間期業績が減益予想のファナック <6954> の反省安も一時的にとどまった。買うから上がる、上がるから買うのサイクルが加速し、「持たざるリスク」への言及が勢いを増す。「アベノミクス相場」は、スタートしてまだ5カ月だから「バブル」と極め付けるのは早計だろうが、投資家マインドとしては、「ドット(水玉)」程度が徐々に兆しているといったところだろう。

  この日経平均株価と同様に、このところ夜放れ状態となっている銘柄がある。株式分割銘柄である。株式分割の発表がラッシュとなり、しかもそのなかからストップ高する銘柄が続出しているからだ。どれだけラッシュかといえば、ゴールデンウィークの谷間の4月30日から前週末5月10日までの7営業日間に、実に35銘柄が、株式分割を発表したのである。5月8日は1日で9銘柄、10日は13銘柄にも達した。

 この35銘柄から、週明けのきょう13日に株価反応が判明する10日発表分の13銘柄を除いた22銘柄のうち、翌営業日にストップ高した銘柄は、驚くことに54%の12銘柄に達した。なかには4回もストップ高したコラプラ <3668> (東マ)、2回ストップ高を演じたインサイト <2172> (札ア)なども混じっている。

  この夜放れの大きなエンジンとなったのは、ガンホー・オンライン・エンターテインメント <3765> (JQS)の株価急騰だろう。同社は、今年3月末割り当てで今回と同様の株式分割(1対10)を実施、株価は発表から484万円高値まで3倍化して権利をスンナリ落としたが、権利落ち安値34万6500円から権利落ち高値までまたも3倍化してさらに上値を窺っているからである。スマートフォン向けゲーム「パズル&ドラゴン」が大ヒット、売り上げが急拡大したことが大化け要因となったが、株式分割がこの火にさらに油を注ぐ結果となっている。

  これだけストップ高、大化け株が続くと、株式分割株は、マーケットの有望銘柄セクターとして見逃すことができなくなる。ガンホーの株価急騰はややバブル的な行き過ぎはあるにしても、「第2のガンポー」が浮上してくる可能性は捨て切れない。そこでである。今月28日に権利付き最終日を迎える直近の5月の株式分割銘柄をマーク、有望株をセレクトすることとしたい。(本紙編集長・浅妻昭治)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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