先延ばしする人への対処法

2013年5月6日 12:08

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 先の記事(関連記事:先延ばしにする7つの理由とその改善方法)では、先延ばしの理由としてよく言われることをいくつか挙げ、その対策を述べました。その内容は“先延ばしをする人向け”のものでした。一方で、管理能力があり“今やる”タイプの人が、先延ばしをする人と一緒に生活したり仕事をしたりしなければならなくなったら、どうすればよいのでしょうか。

 “今やる”タイプの人には他の人がものごとを先延ばしにする理由が理解しにくいものです。それでは、先延ばしをする人たちに“取りかかる”よう忠告したり“とにかくやる”よう諭したりすることはできません。

 まず先の記事に書いてある、人が先延ばしをしてしまう理由を読んでください。それから、どうすればその人たちに自分のものの見方をわかってもらい事態を改善できるか、項目別に検討しましょう。

1.関心の欠如
 自分が優先すべきだと考える事柄に相手が関心を示さない場合、自分にとってなぜそれが重要なのかを説明し、終わらせることができなかったらどうなるか起こりうる結果を示します。

2.時間不足
 ものごとにかかる時間を見積もることが苦手なせいできちんと仕事を完成させられない人には、 “時間を逆算する”ことができるようになってもらいましょう。最終期限から工程ごとに日にちを遡って、作業を始めなければならない日を割り出すようにするのです。

3.完璧主義
 完璧にできたという確信がなかなかもてないために期限に遅れてしまう人には、可能性として成果のバリエーションとそれぞれの結果を考えて、“もし~だったらどうなるか”という話をしましょう。

4.他人の意見
 失敗する可能性やそのせいで否定されることを恐れてものごとを先延ばししてしまう人だったら、それは当然な不安だとわかってもらいます。自分も心配になることがあると話すといいでしょう。

5.不確実性
 何が期待されているかよくわかっていない人には、成果を出すために必要なことは何かを充分理解できるように、関係者のところへ戻って不明な点が明確になるまで説明してもらうよう勧めます。

6.未知のものに対する不安
 これが先延ばしをする理由の人たちには、新しいことに対する不安感がリスク要因となり、ものごとを避ける原因となっています。ですから、以前彼らが達成したことを思い出させ、新しいことも乗り越えると良い刺激となり得るところがあると気付かせましょう。

7.好ましくない職務習慣
 マルチタスクをする習慣をできるだけやめてもらうためには、その人たちの注意を逸らすものを取り除くようにします。彼らが集中できるように、子供には目に入る範囲から外に出てもらうとか、電話には自分が出るようにするといいでしょう。

 先延ばしをする人たちとうまく付き合うために、他にもできることがあります。

・仮の期限を設定する
要件やイベントの重要度が高いときは、期日や締切りの時間を繰り上げます。

・一度に一つの仕事しか割り当てない
一度にたくさんのことを任せてしまうのは、先延ばしをする人が身動きが取れなくなってしまい、何もしなくなる原因となります。

・結果を明確に示す
仕事を終えることができなかった場合のマイナス面をみんなに知らせる。

・報酬を与える
ひとつの仕事が終わったら、自由時間を与えたり楽しい活動を催したりして、それまでのがんばりをねぎらう。

・外部の助けを借りる
先延ばしをする人の仕事を引き継いだり、彼らをアシストしたりする人を雇う。他にもう一人の人間がいたら、しなければならないことから逃れるのは難しくなります。

※この記事はKey Organization Systems提供の記事を財経新聞が日本向けに翻訳・編集したものです。

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