好調なスマートデバイス市場で、攻勢を強める村田製作所

2013年2月14日 11:08

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記事提供元:エコノミックニュース

 数少ない好調市場と言えるスマートフォンやタブレット端末などのスマートデバイス市場。液晶パネルを製造するメーカーもテレビ用の大型パネルから中小型パネルへと中心をシフトしているなど、周辺・部品メーカーもタブレット端末やスマートフォン用の製品に注力、中核市場と位置づけている。

 村田製作所<6981>もそうした企業の一つである。材料技術やモジュール技術、生産技術をベースに積層セラミックコンデンサや無線モジュールといった高機能・高付加価値の部品を開発、生産し、グローバルに販売している村田製作所は、2012年度第3四半期連結決算において、売上高が前年同期比29.3%増、営業利益同79.7%増となっている。この増収増益の大きな要因が、通信モジュール部門の売上高増である。他の部門の多くが直前四半期比1ケタ増であるのに対し、スマートフォン向けの製品である通信モジュールは同29.7%増と群を抜いて好調さを見せている。この村田製作所が、この市場で更なる攻勢に出ている。

 2月に入ってからだけでも、NEC<6701>及びNEC山梨のMRセンサ(磁気抵抗センサ)事業を譲り受けると発表。2月13日には、これまでも長期にわたり良好な協力関係にあった東京電波<6900>を株式交換により完全子会社化すると発表すると共に、東光<6801>とも資本業務提携の強化に関する合意書を締結し、公開買付けにより、村田製作所による東光の議決権の過半数の取得を目指すと発表している。なお、東光の普通株式の上場を維持、東京電波の普通株式は平成25年7月29日付で上場廃止となる予定とのこと。

 年間十数億台とされる巨大市場となったポータブルデバイスは、端末の高機能化や新興国での需要増等を原動力に、引き続き海外市場を中心に需要が拡大すると見込まれている。しかし、ユーザーであるセットメーカー間での激しい開発・販売競争、ならびに新興国メーカーの台頭による競争激化を背景に、技術革新やモデルチェンジのスピードは速く、企業・モデルごとの需給変動もより大きくなる傾向にある。こうした市場で勝ち残っていくために、今般の村田製作所のような、周辺市場との連携を深める提携、ひいては組織再編が加速するであろう。(編集担当:井畑学)

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