新日鉄住金エンジ、省エネ型二酸化炭素回収プラントを開発 営業を開始

2012年12月27日 17:29

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 新日鉄住金エンジニアリングは27日、世界最高の省エネプロセスを用いた二酸化炭素回収技術を完成し、「ESCAP」の商品名で営業を開始したと発表した。

 同商品は、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託研究である「環境調和型製鉄プロセス技術開発(COURSE50)」の一環で開発した化学吸収法で、熱エネルギー消費量を大幅に低減させると同時に吸収法の加熱温度を100度以下まで下げることに成功した。

 化学吸収法は、アルカリ性の反応液(化学吸収液)に二酸化炭素を選択的に吸収させ、その液を加熱することで二酸化炭素を分離・回収する方法だが、その加熱に多大なエネルギーを使用するため二酸化炭素の回収コストが高くなるといった課題があった。

 そこで、新日鉄住金エンジニアリングは、公益財団法人地球環境産業技術研究機構(RITE)と新日鉄住金が開発した化学吸収液をベースに反応プロセス等に工夫を加え、二酸化炭素の回収率を90%以上の高い状態に維持したままで従来法と比べて熱エネルギーの消費量を6割以下(二酸化炭素1トン回収時の蒸気消費量が1トン程度)に削減する技術を開発した。

 また、吸収液の加熱温度も従来の120度から95度まで低減し、利用価値がほとんど無い低温排熱を活用できるようになった。これらにより、二酸化炭素の回収コストを大幅に低減することが可能となった。

 さらに、同プロセスに用いる化学吸収液は耐久性の面でも非常に優れており、9千時間に及ぶ耐久試験において吸収性能の長期安定性を確認することができ、燃料ガスや燃焼排ガスなど様々な原料ガスに適応するための工夫を加え、商品化した。

 同技術は、将来の革新的温暖化対策技術として注目されているCCS(二酸化炭素地中貯留技術:二酸化炭素が大規模排出源から大気に放出される前に回収し、地下深くに封じ込める技術)を構成する重要技術として開発されたが、先ずは炭酸ガスの需要家、EOR(石油増進回収法)、常圧可燃性ガスのガス品質向上等の用途に省エネ型二酸化炭素回収技術を適用していくという。

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