日本コカ・コーラが節電型自販機を来年導入、夏の日中消費電力を95%削減

2012年11月20日 10:59

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ピークシフト自販機(画像:日本コカ・コーラ)

ピークシフト自販機(画像:日本コカ・コーラ)[写真拡大]

  • 電力使用のピークシフト(画像:日本コカ・コーラ)

 日本コカ・コーラは19日、富士電機と共同で開発した、夏の日中に冷却用の電力を使わず消費電力を95%削減しながら16時間もの間冷たい製品を提供する「ピークシフト自販機」を、2013年1月から全国で設置開始すると発表した。初年度の設置目標台数は25,000台。

 今回開発した「ピークシフト自販機」は、ピークシフトテクノロジーにより、冷却のための電力使用を一般的に電力使用が「ピーク」となる日中から比較的電力に余裕がある夜に「シフト」していることが特徴。

 日本コカ・コーラは「ピークシフト自販機」の市場への本格導入に向け、研究施設での実験に加え、7月からの2ヶ月間、猛暑で有名な埼玉県熊谷市および岐阜県多治見市周辺において各6台ずつ、「ピークシフト自販機」のフィールドテストを実施した。その結果、夜間に冷却し、日中は冷却を停止したままで最長16時間冷たい製品を販売でき、日中の消費電力を95%削減できることを検証した。

 さらに、「ピークシフト自販機」は、冷却運転のためのコンプレッサーを長時間停止させることから運転音が発生せず、病院やオフィスのように静けさが求められるロケーションの設置にも適している。

 加えて、「ピークシフト自販機」は、「全体冷却」、「断熱効果向上」、「気密性向上」という3つの工夫を施しピークシフトテクノロジーを実現させたことによって、補充した常温の製品を冷却するまでに掛かる時間が従来機より約25%も早くなり、冷たい製品をより早く提供しやすくなっている。

 従来の自動販売機では、消費電力抑制のため販売状況に応じて収容製品の一部のみを冷却していたため、冷却を長時間停止すると庫内の温度が少しずつ上昇してしまう欠点があった。しかし、「ピークシフト自販機」では、比較的電力に余裕がある夜間に収容製品の全量を冷却し保冷機能を高めることで、長時間冷却を停止しても製品の温度上昇を抑制する。また、従来のウレタン素材に替え、10倍の断熱性能を持つ真空断熱材をより多く採用することで、熱性能を高め外気温の影響を受けにくくしている。さらに、扉の気密性を高める改良を行い、冷気が逃げにくくする工夫を施した。これらの取り組みにより、政府の節電要請に応えつつ冷たい製品を提供することが可能になった。

 また、「ピークシフト自販機」は夏だけでなく、冬に一部製品を加温する際も使用するヒーターの消費電力が従来機と比べて20%少なくなり、冷却に使用する消費電力とあわせても68%の消費電力削減となる。

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