住友商事、中東オマーンで民活型造水事業を受注 総事業費は最大約300億円

2012年11月12日 17:06

印刷

プラント予定地、プラント完成予想図(画像:住友商事)

プラント予定地、プラント完成予想図(画像:住友商事)[写真拡大]

 住友商事は12日、マレーシアのマラコフ社およびスペインのカダグア社と共同して、中東のオマーン・マスカット市アルグブラ地区にて逆浸透膜技術(Reverse Osmosis)を活用する民活型造水事業(IWP:Independent Water Producer)を、オマーン国営電力・水供給会社から受注したと発表した。

 アラビア半島の東端に位置し、日本にとってエネルギー安全保障上の大動脈にあたるホルムズ海峡を擁するオマーンでは、人口増加と経済発展を背景に、現在の1日約70万立方メートルの水需要は今後も年率2~3パーセントで増加し続けると予測されている。特にマスカット市を中心とする首都圏地区は需要が一層増大しており、それに応えるべくオマーン政府は複数のIWPを計画している。今回の案件は、オマーンにおける大型IWPとしては第一号案件であり、約80万人分相当の生活用水を供給する予定。

 同案件は、1日約19万立方メートルの能力を持つ造水プラントを建設し、20年間にわたり同プラントの保守運転を含む事業運営を行うBOO(Build, Own & Operate)事業であり、2014年9月の商業運転開始を予定している。

 総事業費は最大約300億円を見込んでおり、資金調達については日本国内の金融機関によるプロジェクトファイナンスを計画しているという。住友商事はマラコフ社とともに主要株主として事業会社にそれぞれ45パーセントずつ出資し、主体的に事業運営に関わる。保守運営についてもO&M(Operation & Maintenance)会社を設立し、同様に主体的に関与していく。

 共同事業者であるマラコフ社は、マレーシア、中東および北アフリカ地区にて幅広く電力・造水事業を展開するマレーシア最大の事業者で、住友商事の出資するバーレーンの民活型発電・造水事業のパートナー。カダグア社は、スペイン有数のゼネコンであるフェロビアルアグロマン(空港、道路、建設土木事業を展開)の中核企業であり、造水および下水処理施設の設計、施工、維持管理を得意とするエンジニアリング会社。プラントの建設にはカダグア社と、住友商事が出資するインドの大手総合水エンジニアリング会社、ワバック社を起用する。

関連記事