【アナリストの眼】森下仁丹、医薬、食品工業からレアース回収にも展開、成長ドライバーに

2012年9月6日 09:48

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

【材料と株価】森下仁丹のカプセル受託事業

  森下仁丹 <4524> (東2)は、1893年(明治26年)創業で「銀粒仁丹」が代名詞の会社だが、主力製品はヘルスケア事業の乳酸菌健康食品「ビフィーナ」などにシフトしている。そしてシームレスカプセル技術をベースにしたカプセル受託事業も急成長し、収益構造や中期的な成長ドライバーは大きく変貌している。

  シームレスカプセル技術は、仁丹を製造する際のコーティング技術を応用したもので、グローバル規模でカプセル受託事業の展開を進めている。滋賀工場は世界最大級のシームレスカプセル専用工場のため、食品などの海外大手メーカーからの大口受託も増加している模様だ。

■「子宮頸がん治療ワクチン開発プロジェクト」に参画

  シームレスカプセル技術は医薬品や食品だけでなく、工業用を含めた幅広い分野で注目度を高めている。最近の会社リリースを見ても、アンジェスMG <4563> などとともに「子宮頸がん治療ワクチン開発プロジェクト」に参画し、京都大学と共同の「シロアリ駆除カプセル開発プロジェクト」と、大阪府立大学と共同の「微生物を利用したレアアース・レアメタル回収カプセル実証実験」が経済産業省の補助事業に採択されている。

  なお、カプセル受託事業の売上高伸び率の推移を四半期別に見ると、11年4~6月期が前年同期比13.3%増、7~9月期が同19.2%増、10~12月期が同3.3%増、12年1~3月期が同13.7%増、そして4~6月期が同11.2%増となる。受託先や受託生産量の増加により、円高影響などを吸収して増収基調である。全社売上高に占める割合も12年4~6月期には27.9%まで上昇してきた。

  株価の動きを見ると8月30日から5営業日続落となり、350円~360円近辺のモミ合いから下放れの形となった。ただし特に弱材料は見当たらず、市場全体の下落に引きずられた形だろう。5日の終値335円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS22円12銭で算出)は15倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間7円50銭で算出)は2%台前半、実績PBR(前期実績の連結BPS377円53銭で算出)は0.8倍台となる。

  日足チャートで見ると25日移動平均線が抵抗線の形となり、週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んで調整局面のようだ。しかし指標面で見ても、カプセル受託事業の中期的な成長力を十分に織り込んだ水準とは考えられないだけに、調整局面は絶好の投資機会と言えるかもしれない。(本紙・シニアアナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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