【アナリストの眼】相場展望:ECB理事会と米8月雇用統計が焦点、先物に振られる展開継続

2012年9月2日 11:46

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

★相場展望

  前週(8月27日~31日)の株式市場は、週末31日のジャクソンホールでのバーナンキ米FRB議長の講演に注目が集中して薄商いとなる中、株価指数先物取引が主導する形で週後半に崩れた。世界的な景気減速懸念や中国株式市場の軟調な動きも弱気心理に繋がったようだ。

  注目されたバーナンキ米FRB議長の講演では、予想どおり「FRBは景気回復を加速させるために必要に応じて追加緩和政策を行う」と述べるにとどまり、量的緩和策第3弾(QE3)に関して具体的に言及するには至らなかったが、31日の米国市場では追加緩和期待が優勢となった。株式市場では発言前後に乱高下する場面もあったが、ダウ工業株30種平均株価は前日比90ドル13セント(0.69%)上昇して取引を終了した。また米国10年債利回りは1.55%台に低下し、外国為替市場ではドル売りがやや優勢になった。原油や金など商品先物市場は総じて上昇した。

  こうした31日の米国市場の反応を受けて、週初9月3日の日本の株式市場は買い優勢でのスタートが想定される。ただし3日の米国市場がレイバーデーで休場となることに加えて、円高進行に対する警戒感などで反発力は鈍いだろう。また、中国物流購入連合会が1日に発表した8月PMI(製造業購買担当者景気指数)が前月比0.9ポイント低下の49.2となり、市場予想を下回ったうえに、景気判断の節目となる50を9カ月ぶりに下回ったことで、中国経済に対する警戒感も強めるだろう。

  その後も海外での重要イベントが目白押しである。4日の米8月ISM製造業景気指数、4日から6日にかけての欧州主要国の個別首脳会談、5日~6日の英中銀金融政策委員会、6日のスペイン国債入札、ECB理事会、米8月ADP雇用報告、米8月ISM非製造業景気指数、7日の米8月雇用統計、そして9日の中国8月主要経済統計(CPI・PPI・小売売上高・鉱工業生産・固定資産投資)と続き、次週以降には12日のドイツ憲法裁判所によるESM(欧州安定メカニズム)と新財政協定の合憲性判断、12日~13日の米FOMC、18日~19日の日銀金融政策決定会合が控えている。

  6日のECB理事会とドラギ総裁の記者会見に関しては、ユーロ圏8月消費者物価指数が前年同月比2.6%上昇となったことで利下げ観測は後退しているが、スペインなど南欧諸国の国債買い取りに対する期待感は強い。逆に直前の主要国の個別首脳会談の内容次第では、国債買い取りを見送ることへの警戒感を強める可能性があるだろう。

  7日の米8月雇用統計では、非農業部門雇用者増加数が市場予想よりも弱い内容になれば追加緩和への期待が高まり、強い内容であれば景気回復への期待感が高まるだろう。いずれにしても米国株式市場は比較的堅調な動きになりそうだ。

  ただし日本の株式市場は、海外要因に神経質で薄商いの中、株価指数先物取引の動きに振られる展開に大きな変化はなく、輸出系・景気敏感系が売られやすい構図にも大きな変化はないだろう。国内政局は自民党総裁選と民主党代表選に焦点が移ったが、株式市場への反応は限定的だろう。景気変動の影響を受けにくい社会インフラ関連、再生エネルギー関連、ネット関連などを中心に値動きの軽い銘柄の個別物色が続きそうだ(本紙・シニアアナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

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