【アナリストの眼】相場展望:週末のバーナンキ講演に思惑交錯も

2012年8月27日 09:45

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

  今週(27日~31日)の株式市場では、週末31日のジャクソンホールでのバーナンキ米FRB(連邦準備制度理事会)議長の講演に注目が集中しそうだ。講演を控えて様子見ムードを強める可能性が高いが、要人発言や米主要経済指標を睨みながら、米国の量的緩和策第3弾(QE3)に対する思惑が交錯して乱高下する場面も想定しておきたい。日本市場では特に、薄商いの中で先物の仕掛け的な動きが出る可能性が高いだろう。

  QE3に対する市場の見方は、ここ数週間で二転三転している。8月上旬ごろまではQE3期待が優勢だったが、8月3日の米7月雇用統計、14日の米7月小売売上高をはじめ、米主要経済指標が堅調だったことで次第に米景気回復期待が優勢になり、QE3期待が後退して米10年債利回りが1.83%台まで上昇する場面もあった。しかし、22日に公開された米FOMC(連邦公開市場委員会)議事録(7月31日~8月1日開催分)で多くの委員が、米経済が十分に回復しない場合は早期に追加金融緩和が必要になると判断していたことが判明すると、QE3期待が優勢になりドル・相場は円高方向に動いた。23日には一旦QE期待が後退したが、24日にはバーナンキ議長の米議会への書簡で「FRBには追加の政策を実施する余地がある」と述べていたことが明らかになり、QE3に対する期待感が高まった。

  こうしたQE3に対する市場の見方が、要人発言や、29日の米地区連銀経済報告(ベージュブック)、30日の米7月個人所得・消費支出などの米主要経済指標も睨みながら、どのように変化するかが焦点だろう。31日のバーナンキ議長の講演では、昨年もそうだったようにQE3を実施「する」とも「しない」とも明言するはずはないが、昨年は追加緩和の具体策に言及しなかったとして発言直後に米株式市場が急落する場面があっただけに、今回は市場に失望感を与えないように「必要な時に必要な措置を取る用意がある」「FRBには追加の政策を実施する余地がある」といったような発言が含まれる可能性はあるだろう。

  ユーロ圏に関しては、ECB(欧州中央銀行)の追加緩和や政策対応への期待感で、スペイン10年債利回りが低下してやや落ち着いた状況だが、来週は28日から30日にかけてスペイン短期債やイタリア国債の入札があり、ギリシャ支援条件の緩和を巡る動きに対しても注意が必要になりそうだ。

  国内要因としては、日韓・日中の領土問題を巡る緊張が高まっていることに加えて、自民党が29日に参院で問責決議案を提出する構えを見せている。市場への影響は限定的と考えられるが、様子見ムードに繋がる可能性はあるだろう。

  QE3期待が優勢になれば、ドル・円相場では円高要因とされるだけに、引き続き内需系買い、輸出系・景気敏感系売りの構図となりそうだが、NT倍率(日経平均株価÷TOPIX)が一段と上昇するのか、それとも水準訂正に向かうのかも、物色面での資金シフトに繋がるだけに注目されるだろう。そして9月に入ると6日のECB理事会、7日の米8月雇用統計、12日~13日の米FOMC、18日~19日の日銀金融政策決定会合と重要イベントが相次ぐだけに、日本の市場は様子見ムードで薄商いの中、先物に振られる展開が続きそうだ(本紙・シニアアナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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