インスペック:今期より飛躍的に海外市場での売上拡大が予想される

2012年6月19日 09:58

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

■12日、東京証券会館で12年4月期決算説明会を開催

  半導体検査装置のインスペック <6656> (東マ)は12日、東京証券会館で12年4月期決算説明会を開催した。

  同社代表取締役社長菅原雅史氏は、次のように前期を振り返った。

  「売上高は5億47百万円と前年同期比73.7%と不本意な結果となりました。様々な要因がございますが、一番大きな要因としては、海外展開の実績が約1年当初計画していたよりも遅れてしまったことと、当社の大手の顧客の設備投資が大幅にずれ込んでしまったことが挙げられます。品目別売上高としまして、基板AOI関係は2億44百万円でした。インライン検査装置は、一昨年から取組んでいます新しい分野の検査装置でございます。これは分野としましては、ロールtoロールと申しまして、ロール上に巻かれました長尺のフィルム状の精密なパターンの付いた製品を検査するかなり難しい分野でありますが、前期大手メーカーさんから2案件いただきました。売上高は86百万円でした。また、従来から取組んでいます半導体パッケージ外観検査装置が1億38百万円でした。台数につきましては、基板AOIが4台、その中の1台がハイエンド向けの検査装置でした」と語った。

  前12年4月期業績は、繰り返しになるが売上高5億47百万円(前年同期比26.3%減)、営業利益△1億65百万円(前年同期10百万円)、経常利益△1億40百万円(同49百万円)、純利益△1億40百万円(同40百万円)と大幅減収減益で赤字転落となった。

  前期業績は全く不振であったが、3月7日に台湾の大手基板メーカーから総額約13億円の受注を獲得したことを発表しているように、同社の技術力の高さが評価され、今期より飛躍的に海外市場での売上拡大が予想されている。

■代表取締役社長菅原雅史氏 今後の経営戦略を語る

  今後の経営戦略について、菅原社長は以下のように語った。

  「基本方針としまして、海外市場において一気に事業規模を拡大します。製品に関しては、継続して取組んでいます基板AOIは、今までこの分野で販売活動を行ってきた内容を分析した結果、当社が強みを発揮できる分野がかなり明確に見えてきていますので、この強みを発揮できる分野に絞り込んで参ります。次に、基板AVIという分野、プリント基板を生産するときの最終工程が終わって出荷する直前に最終外観検査を行う分野です。従来、人間の目視による検査を数千人規模で行っていましたが、様々な環境が変わってきたことから、これを自動化に切り替える企業が増えてきています。したがって、この分野は非常に有望な分野でございます。私共なりに仕組みを構築して他社と差別化する形で、これを今年度以降継続して行ってまいります。3つめはロールtoロールの分野です。前期に売上の実績が出ているインライン検査装置を更に拡大して、フレキシブル基板、タッチパネルといったフィルム状の製品の検査を拡大していきます。以上の3つを軸にして展開を図っていきます。販売体制については、昨年契約しました台湾のTKKとの連携を更に強化します。現在AOIに関する販売契約だけを結んでいますが、更にAVI製品の販売・サポートまで含めた形で連携を強化してまいります。生産体制に関しては、海外市場は非常に活発でありますけれど、一方で、コスト競争では非常に厳しいものがございます。それらに対応できるように、一部の製品については、台湾での生産体制を確立することでコスト競争に対応する方針です」と今後の計画について語った。

■次世代といわれる半導体を検査できる最新のAOIは、同社のみが実現

  基本方針として、先述しているように海外市場で一気呵成に拡大する方針である。今期13年4月期の海外売上高は7億円を目標としている。前期が40百万円であったことを思うと今期は飛躍的に拡大することになる。しかし、この7億円という金額は、今年度のスタート時で、既に商談に上っている数字だけをまとめた額であることから、7億円を上回る可能性が高いといえる。

  「海外での事業展開は、実質的に、今年度が元年といっていいと思いますので、此処を足掛かりとして今後、一気に海外市場での事業を拡大していくことで、当社としても明確に軸足を移します」と意気込みを語った。

  基板AOIについては、平成20年度から取組んできている。最初は一番難しいハイエンドで実績を作り、それからボリュームゾーンに少しずつ広げていくという形で展開してきた。その活動の中で、ハイエンドの分野では間違いなく同社がトップを走っていることが明確となった。実際に、米国の半導体メーカーのロードマップに沿って、次世代といわれる、今年の後半から来年度以降に量産化される半導体を検査できる最新のAOIは、現在同社のみが実現できている。そのため、各社から商談がきている。この最新のAOIを軸として、半導体パッケージ基板、電話、スマートフォン関連などのファインパターン基板で競争力を発揮し、受注拡大を目指す。

■最終外観検査を自動化できるAVIのニーズが高まる

  AVI(最終外観検査)に関しては、どの半導体メーカーも、最終外観検査に数千人規模の検査要員を採用し、検査工場として、15年ほど前から人力による検査を行ってきた。特に、中国では、検査工場が多くある。その様な状況の中で、中国での最近の人件費高騰の影響や、高機能製品生産の拡大もあり、最終外観検査を自動化できるAVIのニーズが高まっている。

  一方で、最終外観検査技術は、非常に難しい分野で、様々なノウハウを持っていないと自動化は困難である。ところが、同社は平成8年から最終外観検査に係わってきているため、経験が豊富である。これまでに積み上げてきた知識、技術、ノウハウをもとに、それぞれの製品にあった検査装置をまとめ上げることで、種類別に対応した製品を提案できることに気付き、短冊BGA用AVI、個片PKG用AVI、シート基板用AVIと3種類の製品を作った。

  既に今年3月に受注したものは、ハイエンドの個片PKG用AVIである。最近問合せが多いのは、シート基板用AVI。AVIに関しては、参入障壁が高いため、競合企業は、韓国1社、台湾1社の2社である。しかし、もっとも高機能であるのは同社の製品であるため、同社の優位性は否めないのが現状。

■今期を含めて3ヵ年の通期業績予想を発表

  ロールtoロール分野では、先述しているように、前期に2台の販売実績がある。「開発するにはかなり苦労しましたが、非常に高い完成度で現在は横展開が出来るところまできました。今後これを積極的に販売してまいります」と語った。

  今期を含めて、3ヵ年の通期業績予想を発表している。

  13年4月期は、売上高12億円(前期比119.3%増)、営業利益40百万円、経常利益20百万円、純利益20百万円と大幅増収増益で黒字化を目指す。

  14年4月期は、売上高18億円、営業利益1億40百万円、経常利益1億20百万円と大幅増収増益を見込む。

  15年4月期も、売上高20億円、営業利益1億60百万円、経常利益1億40百万円と増収増益を見込んでいる。

  今期より、高技術で開発した基板AOI、基板AVIといった世界最高級の製品で海外市場での売上を伸ばし、V字回復を目指す。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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