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【株式市況を検証】ギリシャ問題、スペイン問題、世界景気減速、円高進行などに警戒感も強く小幅な上昇
【株式市場フラッシュ(6月4日~8日の日本株式市場)】
★日経平均株価、TOPIXともに10週ぶりの上昇
6月4日~8日の日本株式市場は、週間ベースで日経平均株価が19円01銭(0.23%)上昇、TOPIXが8.81ポイント(1.25%)上昇となり、いずれも10週ぶりに上昇に転じた。ただし、1週間を通してやや乱高下する展開となり、結局は小幅な上昇にとどまった。
週初4日には、前週末1日に米5月雇用統計の悪化で米国株式市場が大幅に下落したことや、外国為替市場で円高が進行したことでリスク回避の売りが加速し大幅下落した。日経平均株価の終値は8295円63銭となり、終値ベースで11年11月28日(8287円49銭)以来の安値水準となった。取引時間中には8238円96銭まで下落する場面があった。TOPIXの終値は695.51となり、節目の700ポイントを割り込み終値ベースでバブル崩壊後の最安値を更新した。取引時間中には692.18まで下落する場面があった。
週半ばの5日~7日は、世界的な金融緩和に対する期待感の高まりで欧米株式市場が上昇したことや、円高が一服したことも支援材料となり、値ごろ感からの買い戻しが優勢になった。3営業日合計で日経平均株価は344円09銭(4.15%)、TOPIXは35.24ポイント(5.07%)反発した。
しかし週末8日には、株価指数先物取引が主導する形で大幅反落した。日経平均株価、TOPIXともに週間ベースでは10週ぶりに上昇に転じたが、結局は小幅な上昇にとどまった。ギリシャ再選挙(6月17日予定)やスペインの銀行問題に対する不透明感、世界的な景気減速に対する警戒感、外国為替市場での円高進行などに対する警戒感が強い状況に変化はなく、5日~7日の急ピッチの戻りの反動や、週末要因もあってリスク回避の動きが加速した。
日本時間5日夜に開催されたG7財務相・中央銀行総裁による緊急電話会議では公式声明発表はなく、ユーロ圏債務問題に関して新たな具体策は示されなかった。しかし電話会議終了後に、安住財務相は「会談で欧州問題の認識を共有できた。欧州側はしっかりとスピード感を持って対応すると表明した」と述べ、足元の円高について「株安と円高が日本経済に大きなダメージを与えている、為替について昨年9月のG7の合意事項を共有してほしいと要請し、各国から異論はなかった」と述べた。この発言を受けて外国為替市場では円売り市場介入に対する警戒感で円売りが優勢になった。世界の株式市場もやや落ち着いた状況となった。
またユーロ圏では、6日のECB(欧州中央銀行)理事会で現行の政策金利(1.0%)据え置きを決定し追加緩和を見送った。ドラギECB総裁は記者会見で追加緩和に含みを持たせたものの、資金供給や危機対応についての具体策に示唆的な発言はなかった。
欧州委員会は6日、EU加盟国当局の銀行監査を強化する新たな枠組みに関する各国への提案を発表した。銀行破綻の防止、経営悪化が判明した場合の早期介入、破綻処理の迅速化などを柱としている。18年からの全面運用を目指すが、短期間で各国の合意を得られるかは不透明な模様である。
格付け会社フィッチ・レーティングスは7日、スペイン国債の格付けを3段階引き下げると発表し、見通しは「ネガティブ」とした。スペインの銀行の資本増強必要額については600億ユーロ程度とし、経済環境がさらに悪化した場合は最大1000億ユーロまで膨らむ可能性があると試算している。
米国では7日、バーナンキ米FRB議長が議会証言で「金融情勢が悪化した場合、FRBは景気を支える用意がある」として追加緩和に含みを残したが、具体的な示唆がなかったとして株式市場では失望感が広がる結果となった。
中国では7日、中国人民銀行が政策金利(預金基準金利、貸出基準金利)を0.25%引き下げると発表した。08年9月のリーマンショック直後以来で想定外の利下げだったが、8日の中国株式市場では9日発表の主要経済指標に対する警戒感につながった。
外国為替市場では、ギリシャ問題やスペイン問題への警戒感は強いが、円売り市場介入への警戒感やポジション調整などで、リスク回避の円買い圧力がやや一服した。8日の海外市場で終盤は1ドル=79円50銭近辺、1ユーロ=99円50銭近辺だった。
テクニカル面で見ると、日経平均株価(8日時点の8459円26銭)の移動平均線に対する乖離率は、25日移動平均線(同8708円50銭)に対してマイナス2.86%、75日移動平均線(同9407円21銭)に対してマイナス10.07%、200日移動平均線(同8951円93銭)に対してマイナス5.50%となった。東証1部市場の騰落レシオ(25日移動平均)は8日時点で70.7%となっている。
日経平均株価の終値ベースで騰落状況を見ると、週初の4日は前日比144円62銭(1.71%)安と大幅に4営業日続落、5日は前日比86円37銭(1.04%)高と5営業日ぶり反発、6日は前日比151円53銭(1.81%)高と大幅続伸、7日は前日比106円19銭(1.24%)高と大幅に3営業日続伸、8日は前日比180円46銭(2.09%)安と4営業日ぶり大幅反落した。日中値幅は4日が64円39銭、5日が81円21銭、6日が136円45銭、7日が48円15銭、8日が184円73銭だった。
日経平均株価の週末8日の終値は8459円26銭となり、前週末1日の終値8440円25銭に比べて19円01銭(0.23%)上昇し、週間ベースで10週ぶりに上昇に転じた。取引時間中ベースの週間高値は7日の8647円79銭、週間安値は4日の8238円96銭で、1週間の取引時間中の値幅は408円83銭だった。
TOPIXの週間騰落状況を見ると、週末8日の終値は717.74で、前週末1日の終値708.93に比べて8.81ポイント(1.25%)上昇し、週間ベースで10週ぶりに上昇に転じた。取引時間中ベースの週間高値は7日の730.75、週間安値は4日の692.18だった。8日時点のNT倍率は11.79倍で、1日時点の11.91倍に比べて0.12ポイント低下した。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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