大和ハウス、次世代環境配慮型店舗の実証実験を開始 CO2を最大約50%削減

2012年5月8日 20:42

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ハックドラッグ小塚店 店舗内(写真:大和ハウス工業)

ハックドラッグ小塚店 店舗内(写真:大和ハウス工業)[写真拡大]

 大和ハウス工業は8日、5月11日より、CO2排出量を最大約50%削減可能な次世代環境配慮型店舗「D's SMART STORE(ディーズ スマート ストア)」の実証実験を、CFSコーポレーション(本社:神奈川県横浜市)が運営する愛知県名古屋市の「ハックドラッグ小塚店」で開始すると発表した。今後、実証実験で採用・効果検証した環境配慮技術を、大和ハウス工業が施工する物販店舗(ドラッグストア・家電量販店等)に採用していく方針。

 大和ハウス工業は、法人向けの建築物について、2020年までに環境負荷「0(ゼロ)」(運用時のCO2排出量をゼロ)を目指す「Smart-Eco Project(スマートエコプロジェクト)」をスタートさせ、その第三弾として、「ハックドラッグ小塚店」に世界初・日本初の環境配慮技術を採用し、実証実験を開始することになった。

 実験店舗では、自然の力を活かす「パッシブコントロール」や創エネ・省エネを行う「アクティブコントロール」、それらを適正に制御する「エネルギーマネジメント」を組み合わせることにより、CO2排出量を1990年当時の大和ハウス工業の建築物と比較して約50%削減、現在の一般的な店舗と比較して約39%削減できる。

 具体的には、「ハックドラッグ小塚店」では、越屋根に採光のための窓「ハイサイドトップライト」を設け、店舗内に自然エネルギーを取り込み、昼間の照明電力を削減する。「ハイサイドトップライト」には、世界初となる直射光を屈折させ、紫外線などの有害光線もカットする「光屈折フィルム」を採用した。「光屈折フィルム」から越屋根内に入った自然光は、越屋根内の天井面・壁面に貼り付けられている高拡散反射材に反射して、効率的に店内に取り入れられるため、店舗内の照明電力を42%削減することができる。

 さらに店舗内の照明には、店舗向け埋め込み仕様「ハイパワーマルチベースライトLED照明」を日本で初めて採用。同LED照明を使用したことにより、必要照度を確保しながら、照明台数を90本相当削減、CO2排出量を年間約10.6トン削減することができ、店内を広く見せることができる。

 そのほか、昼光をダイレクトに利用する「光ダクト」、置換空調システム、10kWの太陽光発電システム、エネルギーモニタリングシステム、昼光センサー、ヒートアイランド現象の低減を図る駐車場緑化システムなど、創エネ・省エネの環境配慮に特化した設備を導入している。

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