デンソー、ドライバー席のみの空調が可能な世界初のカーエアコンシステムを開発

2012年4月25日 07:57

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エアコンユニット写真(画像:デンソー)

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 デンソーは24日、車室内をドライバー席と助手席、後部座席の3つのゾーンに分け、乗員がドライバーのみの場合には、ドライバー席だけを空調することが可能なカーエアコンシステムを世界で初めて開発したと発表した。このエアコンシステムでドライバー席のみを空調する場合は、従来のカーエアコンに比べて使用するエネルギーを通年で約2割削減することが可能となり、快適性を維持しつつ車の燃費性能向上に貢献することができる。

 新型エアコンシステムでは、冷風や温風を生み出すエアコンユニットに新構造を採用した。新構造では、通常は分かれていないユニットの内部を5つに分け、それぞれを車室内に配置されている吹き出し口に直結した。それにより、乗員のいないゾーンへの空調をボタン操作で止めることが可能になり、複数のゾーンを空調する場合にもゾーンごとに温度設定ができるようになった。

 また、様々な環境での使用を想定した試験とシミュレーションを繰り返すことにより、最適な制御を実現した。これにより、酷暑や酷寒の環境下でも快適性を維持したままでエネルギー消費を抑制できるようになった。

 さらに、暖房運転時のエアコンは車室内の換気に加えて、窓の曇りを防ぐため低湿度な外気を多く使用しているが、その分暖かい空気を車室外に排出していた。今回開発したシステムは、新構造のエアコンユニットを採用したことにより、外気を使用する範囲をフロントガラス手前とダッシュボードの吹き出し口に限定することが可能になった。その結果、車室外に排出していた暖かい空気の量を通常のエアコンと比べて約半減させ、暖房の熱をより効率的に使用できるようになった。

 この新型エアコンシステムは、新しいレクサスGSの一部モデルに搭載されている。デンソーは同エアコンシステム以外にも、従来比40%の小型・軽量化を実現した新型ラジエーターなど、様々な製品をレクサスGS向けに供給している。

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