出口も入り口もみえない相場環境下、エイブル&Pのサプライズに倣って?=浅妻昭治

2012年4月16日 12:46

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

「明日はどっちだ?」・・・・伝説の人気ボクシング漫画『あしたのジョー』の主人公・矢吹丈ならずとも、そうつぶやいてみたくなるのが、昨今の投資家心理ではないだろうか?

「明日はどっちだ?」・・・・伝説の人気ボクシング漫画『あしたのジョー』の主人公・矢吹丈ならずとも、そうつぶやいてみたくなるのが、昨今の投資家心理ではないだろうか?[写真拡大]

  「明日はどっちだ?」・・・・伝説の人気ボクシング漫画『あしたのジョー』の主人公・矢吹丈ならずとも、そうつぶやいてみたくなるのが、昨今の投資家心理ではないだろうか?いま相場がどのポジションにいて、出口に向かっているのか、まだまだ入り口辺りでウロウロしているのか、またまた五里霧中となってきたからだ。

  世界経済のエンジンとなっている米国と中国の景気は、回復しているのか減速しているのか、金融政策はさらに超緩和に向かうのか、出口戦略を模索するのか、欧州のソブリン・リスクは一件落着となったのかぶり返すのか、円高は修正されるのか、修正の修正が起こるのかなどなどと不透明化し、「リスクテイク」が正解か、「リスクオフ」が無難か、判断が難しい。

  4月相場の最大のイベントとなる企業業績の発表も、方向感を示唆してくれるかというと、期待は徐々に薄らぐ気配である。米国でアルコアをトップに始まった主力企業の1~3月期決算の発表は、好決算のグーグルにしろ、減益決算を発表したJPモルガンにしろ、前週末には揃って下落と、いまのところ業績相場がスタートするムードにはなっていないようだ。

  米国市場を追って、わが東京市場でも4月24日予定の花王 <4452> 、日本電産 <6594> (大1)、25日の日立建機 <6305> (東1)、ファナック <6954> などから主力企業の3月期決算の発表が始まるが、期待と不安は、五分五分、ことによったら4分6分というのが正直なところだろう。

  こうした相場環境下では、「先行きの1万円より目先の1000円」を重視する投資スタンスも、立派な投資行動として成立してくる。4月相場の最大のイベントは決算発表だが、毎月訪れる配当取りも、小なりといえども、「目先の1000円」を確実にゲットする相場イベントとしては無視できないものがある。

  しかも、今月4月の配当取りでは、望外のパフォーマンスを示現することが確実なサプライズ銘柄が飛び出してきた。エイブル&パートナーズ<エイブル&P> <3272> (JQS・監理)である。同社は、前週末13日終値現在の配当利回りが、5.09%と4月期・10月期決算会社の高配当利回りランキングのトップにランクされ、配当利回り買いで年初来高値まで買い進まれていた。それが、前週末大引け後に同社の佐藤茂社長が、株式公開買い付け(MBO)実施の発表、年間配当22円は無配と変更したが、その代わりにMBO価格は580円として、148円のサヤ取りを約束してくれたのである。配当利回りは約7倍にも大化けする計算になる。

  配当権利付き最終日まで残り1週間余、第2、第3のエイブル&Pが続出する展開は想定し難いものの、4月の高配当利回りランキングの上位ランク銘柄をマークしてそれなりの妙味が期待できることになる。(執筆者:浅妻昭治 株式評論家・日本インタビュ新聞 編集長)

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