【相場展望】調整の長期化懸念や円高への反転懸念に加え3月期決算発表本格化控えて様子見ムードに

2012年4月8日 08:33

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

【来週(4月9日~13日)の株式市場見通し】

■日銀金融政策決定会合と為替動向が焦点

  来週(4月9日~13日)の日本株式市場は、外国為替市場での円高方向への反転に対する警戒感や、4月下旬から本格化する3月期決算発表も控えて様子見ムードを強め、個別物色の展開となりそうだ。急ピッチの上昇に伴う過熱感が解消されたことは支援材料だが、逆に調整長期化懸念が台頭する可能性もあるだろう。

  前週末6日の米国株式市場は休場だったが、米3月雇用統計で非農業部門雇用者数の増加が低水準だったことを受けて、外国為替市場では1ドル=81円30銭近辺、1ユーロ=106円50銭近辺に円が上昇した。このため週初9日の日本株式市場は、米国株式市場の反応を見極めたいとして、様子見ムードも強く、やや軟調なスタートが想定される。

  そして9日~10日の日銀金融政策決定会合が当面の焦点となる。今回は現状維持、次回会合(4月27日)での追加緩和というシナリオが優勢のようだが、米追加金融緩和期待の台頭やユーロ圏債務危機不安の再燃などで、基調としてのドル高・円安、ユーロ高・円安の地合いもやや微妙になってきただけに、現状維持であれば円高方向に傾く可能性もあるだろう。この場合には、株式市場の調整長期化に対する警戒感が強まるだろう。逆に追加緩和策が出ればポジティブ材料となるだろう。

  その後は、米国、中国、ユーロ圏の主要経済指標や、為替動向を睨みながらの展開だろう。米3月雇用統計で非農業部門雇用者数の増加が低水準だったのは一時的との見方もあるが、当面は米国景気回復に対する期待感が後退する可能性が高いだろう。中国とユーロ圏の景気減速に対する警戒感にも注意が必要だろう。

  ユーロ圏債務危機問題では、スペイン国債利回り動向やフランス大統領選の動向などが波乱要因となる可能性があり、注意が必要だろう。さらに北朝鮮のミサイル発射時期が接近して情勢が緊迫化するため、イラン情勢とともに地政学リスクに対する警戒も必要だろう。

  そして日本では、12年2月期の企業決算発表が本格化し、12年2月期や12年3月期の業績見通し修正の発表も増加する。4月下旬からは12年3月期の決算発表も本格化するため、個別物色の色合いを強めそうだ。

  テクニカル面で見れば、25日移動平均線を割り込んだことで調整長期化懸念が強まるが、3月26日~30日の週と4月2日~6日の週の合計10営業日で、前日比上昇したのは日経平均株価が3営業日(3月26日、27日、4月2日)、TOPIXが2営業日(3月27日、4月2日)にとどまった。調整一巡感や売られ過ぎ感が台頭する可能性もあるだろう。

  世界の主要国・地域の前週の動向を整理してみよう。

  米国の主要経済指標を見ると雇用関連指標に強弱感が交錯した。2日には、米3月ISM製造業景気指数が53.4となり2月の52.4に比べて上昇し市場予想も上回った。米2月建設支出は前月比1.1%減少となり、1月改定値の同0.8%減少(同0.1%減少から下方修正)に比べて悪化し市場予想も下回った。3日には、米2月製造業新規受注が前月比1.3%増加となり、1月改定値の同1.1%減少(同1.0%減少から下方修正)に比べて改善したが、市場予想を下回った。4日には、米3月ADP雇用報告で民間部門雇用者数は前月比20.9万人増加となり、2月改定値の同23.0万人増加(同21.6万人増加から上方修正)に比べて鈍化したが、市場予想を上回った。米3月ISM非製造業景気指数は56.0となり、2月の57.3に比べて低下して市場予想も下回った。

  5日には、米週間新規失業保険申請件数が35.7万件となり、前週改定値の36.3万件(35.9万件から上方修正)に比べて減少した。市場予想をやや上回ったが08年4月以来約4年ぶりの低水準だった。また4週移動平均は36.175万件となり前週改定値時点の36.6万件に比べて低下した。6日には、米3月雇用統計で失業率が8.2%となり、2月の8.3%に比べて市場予想以上に改善した。3年2カ月ぶりの低水準だった。しかし非農業部門雇用者数は前月比12.0万人増加にとどまり、2月改定値の同24.0万人増加(同22.7万人増加から上方修正)に比べて大幅に悪化し、市場予想も大幅に下回った。

  なお3日には、米FOMC(連邦公開市場委員会)議事録(3月13日分)が公表されて、追加緩和を支持する意見が少数だったため、追加緩和期待が後退した。

  ユーロ圏では、2日にユーロ圏2月失業率が10.8%となり、1月に比べて0.1ポイント上昇した。このため外国為替市場ではリスク回避のユーロ売りが優勢になった。4日には、スペインの国債入札で調達額が目標の下限にとどまりスペイン国債利回りが急上昇した。このため欧州株式市場が大幅下落して、外国為替市場でもリスク回避のユーロ売りが強まった。ECB(欧州中央銀行)理事会では政策金利を1.0%で据え置いたが、ドラギECB総裁がユーロ圏景気の下振れリスクに言及したこともユーロ売りにつながった。

  中国に関しては、1日に発表された中国3月製造業PMI(購買担当者景気指数)が53.1となり2月に比べて上昇した。3日には中国3月非製造業PMIが58.0となり2月に比べて上昇した。4日には、金融大手HSBCが発表した中国3月サービス部門PMIが53.3となり、2月に比べてやや低下したが依然として堅調と受け止められた。

  日本に関しては、2日の3月日銀短観で、大企業製造業DIがマイナス4となり前回(12月)調査と変わらず、6月予測はマイナス3となった。12年度想定為替レートは1ドル=78円14銭だった。大企業製造業DIが市場予想をやや下回ったため、為替がやや円安方向に傾く場面もあったが反応は限定的だった。3日には、3月マネタリーベースが前年同月比0.2%減少と3年7カ月ぶりの減少に転じた。日銀の金融緩和姿勢に対して懐疑的な見方が広がり、為替は円高方向に傾いた。6日には、3月上中旬の貿易統計(速報値)が1912億円の赤字だったが、為替はやや円高方向に傾いた。

  外国為替市場の動きを見ると、ポジション調整の動きに加えて、日本の3月マネタリーベースの減少、スペイン国債利回り上昇によるユーロ圏債務危機不安の再燃などで、ドル・円相場、ユーロ・相場ともに円高方向に傾いた。週末6日の海外市場では、米3月雇用統計で非農業部門雇用者数の増加が低水準だったため、一時1ドル=81円30銭近辺、1ユーロ=106円50銭近辺に円が上昇した。終盤は1ドル=81円60銭近辺、1ユーロ=106円80銭~90銭近辺だった。

  テクニカル面で見ると、日経平均株価(6日時点の9688円45銭)の移動平均線に対する乖離率は、25日移動平均線(同9957円52銭)に対してはマイナス2.70%となり、マイナス乖離に転じた。75日移動平均線(同9228円49銭)に対しては4.98%、200日移動平均線(同9091円50銭)に対しては6.56%となり、いずれもプラス乖離幅を縮小した。東証1部市場の騰落レシオ(25日移動平均)は6日時点で93.1%に低下した。

■注目スケジュール

  来週の注目スケジュールとしては、国内では、9日の2月経常収支、10月~12月経常収支、3月景気ウォッチャー調査、日銀金融政策決定会合(1日目)、10日の日銀金融政策決定会合(最終日)、11日の2月機械受注、12日の3月マネーストック統計、3月企業物価指数、3月消費動向調査、13日の日銀金融政策決定会合議事要旨(3月12~13日分)などがあるだろう。

  海外では、9日の中国3月PPI・CPI、バーナンキ米FRB(連邦準備制度理事会)議長の講演、10日の中国3月貿易統計、独2月貿易収支、仏2月鉱工業生産、米2月卸売在庫、米週間チェーンストア売上高、米週間レッドブック大規模小売店売上高、米3年債入札、フィッシャー米ダラス地区連銀総裁の講演、ロックハート米アトランタ地区連銀総裁の講演、コチャラコタ米ミネアポリス地区連銀総裁の講演、11日の米地区連銀経済報告(ベージュブック)、米3月輸出入物価、米3月財政収支、米住宅ローン・借り換え申請指数、米10年債入札、ジョージ米カンザスシティー地区連銀総裁の講演、ローゼングレン米ボストン地区連銀総裁の講演、12日の豪3月雇用統計、インドネシア中銀金融政策決定会合、仏2月経常収支、英2月貿易収支、ユーロ圏2月鉱工業生産、ECB(欧州中央銀行)月報、イタリア国債入札、米2月貿易収支、米3月卸売物価指数、米新規失業保険申請件数、米30年債入札、プロッサー米フィラデルフィア地区連銀総裁の講演、コチャラコタ米ミネアポリス地区連銀総裁の講演、13日の韓国中銀金融政策決定会合、中国3月小売売上高・鉱工業生産・固定資産投資、中国第1四半期GDP、シンガポール第1四半期GDP速報値、独3月消費者物価指数改定値、英3月生産者物価指数、米3月消費者物価指数、米4月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値、などがあるだろう。

  なお、米主要企業の1~3月期決算発表では、10日の米アルコア、12日の米グーグル、13日の米JPモルガン、ウェルズ・ファーゴなどがあるだろう。

  その後の注目イベントとしては、16日のユーロ圏貿易収支、米3月小売売上高、18日のユーロ圏2月経常収支、19日の日本3月貿易統計、20日のG20財務相・中央銀行総裁会議、23日のユーロ圏4月総合・製造業・サービス部門PMI速報値、24日~25日の米FOMC(連邦公開市場委員会)、27日の日銀金融政策決定会合および4月展望リポート(経済・物価情勢の展望)公表などが予定されている。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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