グラフィス、クラウドを利用した介護用コールオペレーションシステムを開発

2012年3月12日 21:28

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 指定訪問介護、訪問看護、居宅介護支援、リハビリデイサービス事業を行う株式会社グラフィス(本社:東京都中央区)は、2012年度の新しい地域密着型サービス「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」のサービスに対応するため、ケアコールオペレーションセンターシステム「G24システム」を開発した。現在このシステムは、港区の24時間モデル事業及び夜間対応型訪問介護事業で実際に運用されている。

 グラフィスが開発した「ケアコールオペレーションセンターシステム」は、高齢で介護を必要としている利用者が、24時間365日安心して生活できる基盤を整備する、クラウドコンピューティングシステムを活用した日本で初めてのシステム。

 従来の緊急通報等のシステムでは、利用者からの通報を受けるケアコール機とコールボタンは別であり、離れた場所でコールボタンを押しても話をすることができなかった。「G24システム」では、利用者に貸与した携帯端末(ソフトバンクモバイル「みまもりケータイ SoftBank 005Z」)のボタンを押すと、オペレーターの持つ携帯電話に繋がる。セールスフォース・ドットコムのクラウドコンピューティングシステムにより、オペレーターのパソコン上であらかじめ管理されている利用者の心身の状況、置かれている環境等の情報や、過去の通報履歴、サービス提供履歴を確認しながら、従来のサーバー利用のコールセンターと同様に、オペレーターは利用者と会話することができる。情報を参考にしながら応対できるため、利用者の状況に合わせた適切な対応が可能となる。必要時には、介護支援専門員の了解のもと、訪問介護員を利用者の自宅へ派遣要請する。

 利用者の排泄、食事、水分補給、健康状態、医師の指示に基づくバイタルチェック等のアセスメント情報は、クラウドコンピューティングシステムを利用して、特定のIDとパスワードに基づき管理している。特定の利用者のデータを、医師や看護師、介護支援専門員、保険者等の介護関係者や家族とも情報共有できるため、独居(日中独居も含む)や高齢者世帯になっても、利用者が安心してその居宅で暮らし続けることを可能にする。

 クラウドシステムを利用しているため、従来のサーバーのようにデータを蓄積をする必要がなく、情報漏洩リスクを低減させることが可能。さらに、「みまもりケータイ」のGPS機能を利用して、利用者の居場所を確認することができる。外出先で転倒などした場合には、「みまもりケータイ」の呼び出しボタンを押すだけで、コールセンターに通報することもできる。外出先の通報は在宅介護ではないため、介護保険の適用はできないが、緊急時の連絡先にオペレーターから電話をして、利用者の場所を知らせることもできる。

 同システムの利用料は基本的に無料だが、CTI導入、クラウドコンピューティングシステム導入やケアコール機導入は実費負担となる。また、グラフィスが導入・指導等を行う場合は別途費用負担となる。

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