上方修正(勝ち)した銘柄よりも下方修正(負け)した銘柄の数が上回る=浅妻昭治

2012年1月30日 14:03

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

14勝44敗……負け越しである。勝率も14%にとどまる。大発会1月4日のあみやき亭<2753>(東1)、アドヴァン<7463>(東1)の常連先駆け2銘柄から発表がスタートした・・・。

14勝44敗……負け越しである。勝率も14%にとどまる。大発会1月4日のあみやき亭<2753>(東1)、アドヴァン<7463>(東1)の常連先駆け2銘柄から発表がスタートした・・・。[写真拡大]

【浅妻昭治(株式評論家・日本インタビュ新聞社記者)のマーケット・センサー】

  14勝44敗……負け越しである。勝率も14%にとどまる。大発会1月4日のあみやき亭 <2753> 、アドヴァン <7463> の常連先駆け2銘柄から発表がスタートした3月期決算会社の前週末27日までの序盤の第3四半期(3Q、4~12月期)業績動向である。3月期通期業績予想を修正した銘柄のうち、上方修正(勝ち)した銘柄よりも下方修正(負け)した銘柄の数が、圧倒的に上回ったのだ。

  序盤とはいえこれだけ負け込むと、今年新年相場の相場シナリオは、早くも修正を余儀なくされそうな雲行きとなりそうだ。昨年末から今年年初相場まで続いた個人投資家主導の低位材料株相場が、3Q決算発表を境に主力景気敏感株にバトンタッチされ、「業績相場」が展開されると期待するのがベスト・シナリオであった。

  日本に先立って、10~12月期決算の発表が始まった米国市場では、インテルやアップル、キャタピラーのように好決算を発表して高人気化する銘柄が続き、日本市場のベスト・シナリオをフォローしてくれるはずだった。ところが日本市場の決算発表序盤は負け越しで、米国市場の対極よろしく、全般相場の足を引っ張る任天堂 <7974> (大1)、NEC <6701> 、新日本製鐵 <5401> のような下方修正悪役3銘柄まで登場した。

  下方修正の続出は、とくにネガティブ・サプライズではない。十分に想定されたことである。東日本大震災に続くタイの大規模洪水の発生で、サプライチェーンが途絶され、急激な円高が重なって、企業業績に逆風が吹いていることは、分かり切っていたことだ。だから、こと決算発表に関しては、「ベスト・シナリオ」は望み薄でも、業績下方修正が、悪材料出尽くし、悪材料織り込み済みとなる「ベター・シナリオ」が、ほぼ市場のコンセンサスになっていた傾きがなかったこともなかった。ただ、この「ベター・シナリオ」通りに動いたのは、東京製鐵 <5423> などの一握りの銘柄にとどまった。

  もちろん決算発表はまだ序盤で、今週から本格化し、今後、業績上方修正などのポジティブ・サプライズ銘柄が出て来ないとも限らない。(執筆者:浅妻昭治 株式評論家・日本インタビュ新聞 編集長)

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