「死のウイルス」のレシピ、米機関が詳細公開自粛を要請

2011年12月26日 12:55

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記事提供元:スラド

capra 曰く、 以前/.Jでも取り上げられた「死のウイルスのレシピ」を学術誌で公開しないよう、米顧問委員会が要請しているそうだ(本家/.)。

 米国立衛生研究所が監督するバイオセキュリティー科学顧問委員会は、ウイルスに関する論文の掲載を予定していた学術誌ScienceとNatureに対し、一部詳細を省くよう要請したとのこと。ウイルスの製造方法がテロリストなど誤った手に渡ればパンデミックを引き起こす恐れがあるというのがその理由。要請に強制力は無いが、Scienceの編集者のBruce Alberts博士は「必要とする正当な科学者は情報を入手できるシステムを作ること」を条件にこれに従う意向を示しているという。

 また、これは検閲ではなく「不要な検閲を避けるための試み」であり、科学界が一歩踏み出し責任を持とうという試みでもあるとAlberts博士は考えているとのこと。

 政府機関がこのような要請を出すのは初めてであり、要請を出したバイオセキュリティー科学顧問委員会は公衆衛生上の観点からこのウイルスを監視することの重要性を説いているとのこと。ただし予防と治療の確立にはウイルスの仕組みを理解することが不可欠であり、政府は今後「正しい人には情報を提供しつつも囲い込んでおく」という難題に直面していくと指摘する声も挙がっている。

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