プライベートブランドの投資信託を組成しよう!その注意点は?=浅妻昭治

2011年12月26日 16:34

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

まだ年末ラリーあり?それとも新年相場シフト?――――大納会まで残り1週間、こう投資家同士が確かめ合い、聞き合う時期になると、証券マンや証券ジャーナリストの間でかつては必ず話題になった投資テーマがあった。

まだ年末ラリーあり?それとも新年相場シフト?――――大納会まで残り1週間、こう投資家同士が確かめ合い、聞き合う時期になると、証券マンや証券ジャーナリストの間でかつては必ず話題になった投資テーマがあった。[写真拡大]

【浅妻昭治(株式評論家・日本インタビュ新聞社記者)のマーケット・センサー】

  まだ年末ラリーあり?それとも新年相場シフト?――――大納会まで残り1週間、こう投資家同士が確かめ合い、聞き合う時期になると、証券マンや証券ジャーナリストの間でかつては必ず話題になった投資テーマがあった。「ボロ株ファンド」投資である。

  大納会の大引け値で株価が、下から安い順に5銘柄とか、10銘柄とかをまとめ買いしてプライベートブランドの投資信託を組成するのである。もちろん株価が安いのは、経営状態が限界状況にあるボロ株である。ところが、その極低位株は、業績低迷、無配継続などの悪実態にもかかわらず、意外にも次の年には優良株投資にも負けず劣らずの好パフォーマンスを発揮してくれることがあるのだ。

  だから、低位株好きの投資家やヘソ曲がりの投資家が、「逆転の発想」よろしくこの「ボロ株ファンド」投資に果敢にアタックするのである。しかもこの投資法は、ボロ株を自動的に組み入れるから面倒臭い企業分析や相場感なしにアプローチが可能で、しかも投資資金はごくわずかで済む利点まであった。

  もちろん組み入れた銘柄すべてが好パフォーマンを発揮してくれるわけではない。組み入れた1銘柄か2銘柄が大化けして、残りの銘柄が仮に倒産してもその分までカバーしてお釣りがくることになるのである。

  いいことずくめ「ボロ株ファンド」投資で、師走相場も最終盤、全般相場の先行き不透明感、下値波乱が強まりそうな環境下、トライしたいムードは高まってくる。

 ただしこの実戦配備には、かつてとは異なりやや注意が必要である。これは、昨今の株式市場を眺めれば一目瞭然となる。極低位値ごろ株が多過ぎるからである。株価が1ケタの銘柄は、この12月22日現在の全市場では、6銘柄を数え、低位株銘柄を下から100番目までリストアップしても、なお100番目の銘柄の株価が、まだ55円となっているほどである。

  バブル経済崩壊前までは、企業を簡単に死なせないメカニズムが機能していた。ところがそのメカニズムを支えたメーンバンク制が崩壊し、企業の箸の上げ下ろしまでを指図した監督官庁は、行政指導力を喪失し、業界大手も、業界のお荷物企業の救済には株主代表訴訟に怯えて腰が引けては、かつての銀行、監督官庁、業界ぐるみの限界企業救済のウルトラC発動など望むべくもなくなった。当然、限界企業が、株式市場に大量に叢生する結果となっている。(執筆者:浅妻昭治 株式評論家・日本インタビュ新聞 編集長)

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