【外国為替市場展望:ユーロ・円相場】主要各国の国債利回りの動向が注目点

2011年12月11日 11:01

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

【外国為替市場フューチャー:12月12日~16日のユーロ・円相場】

■EU首脳会議の結果を受けて過度な警戒感は後退

  来週(12月12日~16日)のユーロ・円相場については、概ね1ユーロ=103円台~104円台での展開を想定する。EU首脳会議の結果を受けて過度な警戒感は後退するが、主要各国の国債利回りの動向が注目点だろう。

  前週(12月5日~9日)のユーロ・円相場は、ユーロ売り圧力が強まり、週後半に1ユーロ=103円台に円が上昇した。8日のECB(欧州中央銀行)理事会で0.25%の政策金利引き下げは織り込み済みだったが、ユーロ圏経済が来年マイナス成長に陥るとの予測に加えて、ドラギECB総裁が記者会見で重債務国の国債購入拡大に否定的な姿勢を示したため失望感が広がり、リスク回避のユーロ売りが強まった。また8日~9日のEU首脳会議の結果を受けても積極的なユーロ買いにつながらず、週末9日の海外市場の終盤は1ユーロ=103円90銭近辺だった。

  ユーロ圏の債務危機問題に関しては、EU首脳会議で、財政規律を強化するための新たな財政協定、IMF(国際通貨基金)に対する融資、ESM(欧州安定メカニズム)の前倒し稼働などを合意した。新たな財政協定については、EU加盟27カ国のうちユーロ圏17カ国と参加希望国(英国を除く9カ国の見通し)で政府間条約を目指す。IMFを活用した債務危機対応については、EU加盟国が相対融資によって最大2000億ユーロ(うち1500億ユーロはユーロ圏加盟国)をIMFに拠出する。EFSF(欧州金融安定基金)の後継としていたESMについては、資金枠上限を5000億ユーロとして銀行免許は付与せず、稼働を12年7月に前倒しする。当面は4400億ユーロ規模のEFSFも併存するとした。

  この結果に対しては、即効性などの面で十分とは言えないため外国為替市場の反応は限定的だったが、財政統合に向けて一定の成果が得られたとして欧米株式市場は好感する動きとなっている。当面は、ユーロ圏債務危機問題に対する警戒感の後退でリスク回避の動きが弱まるかが注目点だろう。

  また主要各国の国債利回りはやや落ち着いた状況となっているが、格付け会社S&Pがユーロ圏15カ国の国債格付け、およびFESF債の格付けを引き下げる可能性を発表しているため、引き続き主要各国の国債利回りの動向に注意が必要だろう。さらに今後の焦点は、ドイツが反対しているユーロ共同債の導入に関する議論や、重債務国の国債購入拡大が期待されているECBの関与となる。

  当面の注目スケジュールとしては、10日の中国11月貿易統計、13日の独12月景気期待指数、米FOMC(連邦公開市場委員会)、14日のユーロ圏10月鉱工業生産、15日のスイス中銀金融政策発表、ユーロ圏11月消費者物価指数改定値、ユーロ圏12月総合・製造業・サービス部門PMI速報値、ユーロ圏第3四半期就業者数、ECB月報、16日のユーロ圏10月貿易収支などがあるだろう。その後の重要イベントとしては、21日~22日のECB理事会(金利発表なし)などが予定されている。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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