大阪ガス、都市ガス供給のために炭鉱メタンガスを濃縮 中国で世界初の事業実施へ

2011年11月19日 22:15

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低濃度CMM濃縮装置の概要(画像提供:大阪ガス)

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 大阪ガスおよび100%子会社である大阪ガスエンジニアリング(以下、OGE)は18日、中国・山西省にて、都市ガス供給のために低濃度CMM(炭鉱メタンガス)を濃縮する事業を、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)に提案し、委託事業として実施されることが決定したと発表した。都市ガス供給のために炭鉱メタンガスを濃縮する事業を行うのは世界初。

 同事業では、現在は大気に排出されている低濃度CMMを、大阪ガスのメタン吸着技術により濃縮し、都市ガスとして周辺の約18,000戸へ供給する。これにより温室効果ガスを平均で約10%(CO2換算で約91,000トン/年)削減することができる。

 石炭採掘場では、石炭層内より外部に抽出されるCMMのうち、メタン濃度が30%以下のガス(以下、低濃度CMM)は、爆発濃度範囲(約5%~15%)に近いことから利用が原則禁止されているため大気中に排出されており、地球温暖化の一因となっている。

 大阪ガスは、独自の炭素材料技術から発展させたメタン選択性の高い吸着分離技術を活用し、大気中に排出される低濃度CMMの濃縮に取り組んできた。2008年から2009年には、中国の遼寧省で低濃度CMM濃縮の実証試験(CMM流量1,000m3/h)をNEDOの研究協力事業として実施し、大気中に排出されるメタン濃度約21%の低濃度CMMを約48%にまで濃縮することに成功している。今回は、それを事業化し、都市ガス供給に利用する。

 今回の事業では、大阪ガスが低濃度CMM濃縮装置の基本設計およびプロジェクトの統括管理を行い、OGEが装置の設計・工事管理を行う。また、中国現地企業が低濃度濃縮装置以外の設備の設計・工事、低濃度CMM濃縮装置の運転および都市ガスの供給を行う。実施期間は、2011年11月から2013年3月までを予定している。

 今回事業を実施する炭鉱では、現状、約40,000m3/hのCMMを大気中に排出しているが、今回低濃度CMM濃縮装置を1台導入することで、約2,500~7,000m3/hの低濃度CMMを回収することができる。大阪ガスは、今回の導入結果を踏まえて、低濃度CMM濃縮装置の増設を検討する予定であり、最終的には5~6台の導入が見込まれている。また、今後大阪ガスおよびOGEは、中国の炭鉱に、同装置の導入を進めていく考え。

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