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東レ、完全バイオマス原料由来PET繊維の試作に世界初成功
「完全バイオマス原料由来ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維」(画像提供:東レ)[写真拡大]
東レは15日、再生可能化学品および先端バイオ燃料のリーディング企業であるGevo社(本社:米国コロラド州)が合成した完全バイオパラキシレンを原料として、世界で初めて「完全バイオマス原料由来ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維」の試作に成功したと発表した。
Gevo社は、バイオマスを原料とし、同社が独自の先端遺伝子技術で改良した微生物を用いた高効率製造プロセスにより製造したバイオイソブタノールから、商業生産に使用されている化学変換反応によるパラキシレンの合成に成功。
東レは、今年6月にこの再生可能なバイオマス原料由来のパラキシレンから自社技術により誘導されたテレフタル酸と、市販のバイオエタノール由来のエチレングリコールを原料とした完全バイオPETの重合に成功。また、これにより得られたバイオマス由来PETが、石油由来PETと同等の特性を有していることも確認した。東レは新規技術を更に深化させ、今回世界で初めて、完全バイオマス原料由来PETの繊維化にも成功した。
ポリエチレンテレフタレート(PET)は、最も生産量の大きい石油化学製品の一つ。これを原料とするポリエステル繊維は、世界で年間約4,000万トン生産されている。また、ポリエステル繊維は生活や産業のいたるところで使用されており、同社も主力製品の一つとして国内外で生産販売している。
「今回の試作は実験室レベルだが、バイオマス原料のみからなるポリエステル繊維の製造が可能であることを証明したことは、持続可能な低炭素社会の実現に貢献する大きな一歩と言える」と同社はコメントしている。
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