日銀の中村政策審議委員が「米国経済は回復は続けるが成長のスピードは緩やかものに止まる」と言明

2011年11月11日 10:04

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

■「霞ヶ関発・兜町着」直行便

  日銀の中村清次審議委員は9日、那覇市で経済関係者と懇談し、内外の経済情勢と今後の見通しを話したが、中でも米国経済の現状については時期に適した報告がなされていた。内容は以下の通り。ちなみに中村委員は日銀に入る前まで40年余に亘って商船三井の副社長を勤めた世界経済通。

  1.米国経済は、減速しつつも緩やかな回復を続けている。本年7~9月期の実質GDP成長率(季節調整済み前期比年率換算)は+2.5%と、前期の+1.3%から伸び率を高めた。

  2.自動車販売を中心に個人消費が堅調に推移したことや、好調な企業業績を背景に設備投資が増加したことなどから、成長ペースがやや高まった格好だ。住宅市場の動向は引き続き低調であり、このため、家計のバランスシート調整の重石となっている。

  3・米国の不動産関連情報会社Zillowによれば、米国の住宅ローン債務者の約3割は、住宅価値が住宅ローン債務残高を下回る「ネガティブ・エクィティ」の状態にあり、米国家計のバランスシート毀損の大きさが分かる。

  4.失業率も9%台で高止まっており、雇用の回復も捗々しくない。また、このところの欧州債務危機は、米国の金融・資本市場にも影響を及ぼし始めており、FRBは、先週開催された公開市場委員会(FOMC)において、米国経済の先行きの成長見通しを引き下げた。

  5.こうした中、財政面や金融面からの景気刺激策の余地は限られており、先行きについては、回復は続けるとは思われるが、成長のペースは緩やかなものに止まるとみている。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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