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【株式市況を検証】海外要因に神経質な展開から警戒感がやや和らぐ形
【株式市場フラッシュ:10月10日~14日の週の日本株式市場】
■日経平均・TOPIXともに週間ベースで2週ぶりに上昇、過度な警戒感が後退
10月10日~14日の週の日本株式市場(10日は休場)で、日経平均株価(225種)、TOPIXともに、2週ぶりに上昇に転じた。日経平均株価は13日の終値が8823円25銭となり、終値ベースで9月16日(8864円16銭)以来、約1カ月ぶりに8800円台を回復する場面があった。引き続き海外要因に神経質な展開だったが、ギリシャのデフォルト(債務不履行)懸念やユーロ圏の金融システム不安に関して、危機回避に対する期待感で欧州や米国の株式市場が上昇したことを受けて、日本の株式市場でも警戒感がやや和らぐ形となった。
ユーロ圏に関する動きを整理すると、9日の独仏首脳会談で、EU域内金融機関に対する資本増強計画を11月3日のG20首脳会議までにまとめることで合意し、ギリシャ債務問題を含めてユーロ安定に向けた包括的な対策を提案する考えも表明したため、危機回避への期待感が高まった。11日には、仏・ベルギー系銀行デクシアの救済が不安後退につながった。EU(欧州連合)、ECB(欧州中央銀行)、IMF(国際通貨基金)のトロイカ合同調査団が、ギリシャに対する80億ユーロの次回融資実行で合意したと発表したことも安心感につながった。格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)とフィッチ・レーティングスがスペイン主要銀行の格付けを引き下げたが、影響は限定的だった。またスロバキア議会でEFSF(欧州金融安定基金)機能拡充案採決が否決されたが、与野党合意で週内に可決の見通しとなったため影響は限定的だった。12日には、バローゾ欧州委員長がEU域内銀行の自己資本比率の大幅引き上げを求める方針を示したため、危機回避への期待感が高まった。13日には、スロバキア議会がEFSF機能拡充案を可決したため安心感が広がった。
米国の主要経済統計には依然として強弱感が交錯している。13日には、米新規失業保険申請件数が前週比1000件減少の40万4000件となり、米8月貿易収支が456億ドルの赤字で前月比横ばいだった。いずれも市場予想とほぼ同水準だった。14日には、米10月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値が57.5となり、前月の59.4から悪化して市場予想も下回った。米9月小売売上高は前月比1.1%増加となり市場予想を上回った。米主要企業の7~9月期業績に関しても強弱感が交錯している。米アルコアの純利益は前年同期比で大幅増益だったが、4~6月期比では減益となり1株当たり利益も市場予想を下回った。米JPモルガン・チェースの1株当たり利益は市場予想を上回ったが、前年同期比では減収減益だった。米グーグルの売上高と純利益は、ともに過去最高と好調だった。
外国為替市場で円の高止まり状況が続いていることも日本株式市場の下押し要因だが、リスク回避の動きが後退し、前週に比べてやや円安水準にシフトした。ドル・円相場は概ね1ドル=76円台後半~77円台前半だったが、1ドル=77円台に円が下落する場面が目立った。ユーロ・円相場は週後半に概ね1ユーロ=106円台~107円台に円が下落し、売り込まれていた輸出関連株の買い戻しにつながった。
テクニカル面で、日経平均株価(10月14日時点)の移動平均線に対する乖離率を見ると、25日移動平均線に対して1.19%とプラス乖離に転じ、目先の上値抵抗線を突破した形になった。75日移動平均線に対してはマイナス4.82%、200日移動平均線に対してはマイナス9.61%となり、いずれも前週末7日時点に比べてマイナス乖離を縮小した。なお東証1部市場の騰落レシオ(25日移動平均)は、10月14日時点で100.3%となっている。
日経平均株価の終値ベースで騰落状況を見ると、週初の10月11日は前週末(10月7日)比168円06銭(1.96%)高で大幅に3営業日続伸、12日は前日比34円78銭(0.40%)安で4営業日ぶりに反落、13日は前日比84円35銭(0.97%)高で反発、14日は前日比75円29銭(0.85%)安で反落した。日中の値幅は、11日が80円82銭、12日が73円64銭、13日が45円43銭、14日が54円18銭で、取引時間中の動意に乏しい1週間だった。
日経平均株価の週末14日の終値は8747円96銭となり、前週末7日の終値8605円62銭に比べて142円34銭(1.66%)上昇した。週間ベースで見れば2週ぶりの上昇となった。取引時間中ベースの週間高値は13日の8854円16銭、週間安値は12日の8689円38銭で、1週間の取引時間中の値幅は164円78銭だった。
TOPIXの週間騰落状況を見ると、週末14日の終値は748.81ポイントとなり、前週末7日の終値741.55ポイントに比べて7.26ポイント(0.98%)上昇した。週間ベースで見れば2週ぶりの上昇となった。取引時間中ベースの週間高値は13日の762.02ポイント、週間安値は12日の747.25ポイントだった。なお14日時点の終値ベースでのNT倍率は11.68倍となり、7日時点の11.60倍に対して0.08ポイント上昇した。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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