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【外国為替市場を検証:ドル・円相場】モミ合いレンジをややドル高・円安水準にシフトする形
【外国為替市場フラッシュ:10月10日~14日の週のドル・円相場】
■1ドル=76円台後半~77円台前半で膠着感強いが、ややドル高・円安水準にシフト
10月10日~14日の週のドル・円相場(10日の東京市場は休場)は、概ね1ドル=76円台後半~77円台前半の小幅レンジで推移した。ユーロ圏の金融システム不安後退などでユーロが買い戻されたが、ドル・円相場への影響は限定的だった。依然として動意に乏しく膠着感の強い展開だが、前週に比べるとモミ合いレンジをややドル高・円安水準にシフトする形となった。
ドル・円相場の1週間の動きを振り返ってみよう。前週末7日の海外市場では、米9月雇用統計で非農業部門就業者数が前月比10万3000人増加して市場予想を上回ったため、ドル買い戻しが優勢となって1ドル=76円90銭台に円が下落する場面もあった。しかし、格付け会社フィッチ・レーティングスによるイタリアとスペインの格付け引き下げなどが警戒感につながり、概ね1ドル=76円60銭近辺~80銭近辺でモミ合う展開となった。
10日の海外市場では、概ね1ドル=76円60銭近辺~80銭近辺で推移した。9日の独仏首脳会談で、EU域内金融機関に対する資本増強計画を11月3日のG20首脳会議までにまとめることで合意し、ギリシャ債務問題を含めてユーロ安定に向けた包括的な対策を提案する考えも表明した。このため金融システム不安が後退してドル買い・円売りがやや優勢だった。
11日の東京市場では、概ね1ドル=76円60銭台~70銭台の小幅レンジでモミ合う展開だった。手掛かり材料難で様子見ムードの強い展開だった。11日の海外市場でも、概ね1ドル=76円60銭台~70銭台の狭いレンジで小動きだった。
12日の東京市場でも、1ドル=76円60銭台~70銭台の狭いレンジでモミ合う展開だった。手掛かり材料難で膠着感を強めた。12日の海外市場では、主要通貨に対してドルが売られる流れとなり、一時1ドル=76円30銭近辺に円が上昇する場面もあった。その後は株式市場の上昇などを受けてリスク回避の動きが後退し、ドル買い戻しが優勢になって1ドル=77円40銭台まで円が下落する場面があった。終盤は1ドル=77円20銭~30銭近辺だった。
13日の東京市場では、1ドル=77円00銭~30銭近辺でモミ合う展開だった。前日の海外市場の流れを受けてドル買い・円売りやや優勢だったが、週末14日からのG20財務相・中央銀行総裁会議を控えて様子見ムードも強めた。13日の海外市場では、1ドル=77円10銭~20銭近辺でスタートし、ユーロ売り・円買いの流れが波及して1ドル=76円60銭台に円が上昇する場面があったが、その後は概ね1ドル=76円80銭~90銭近辺で推移した。米新規失業保険申請件数は前週比1000件減少の40万4000件だった。米8月貿易収支は456億ドルの赤字で前月比横ばいだった。いずれも市場予想とほぼ同水準だったため反応は限定的だった。
14日の東京市場では、G20財務相・中央銀行総裁会議を控えて様子見ムードが強く、1ドル=76円80銭台~77円00銭台の狭いレンジで小動きだった。14日の海外市場では、1ドル=77円40銭台まで円が下落する場面があった。ユーロ圏のソブリンリスクや金融システムに対する警戒感が後退したことに加えて、米9月小売売上高が前月比1.1%増加となり市場予想を上回ったことを好感し、リスク回避の動きが後退してドル買い戻しが優勢となった。また「日本政府が来週にも新たな円高対策を発表する」との一部報道も円売りにつながった。終盤は1ドル=77円20銭~30銭近辺だった。
ドル・円相場では、リスク回避のドル売り・円買い圧力、量的緩和策第3弾(QE3)に対する思惑、円売り市場介入への警戒感などが交錯する状況が続いている。ギリシャのデフォルト(債務不履行)懸念、南欧諸国へのソブリンリスク拡大懸念、ユーロ圏の金融システム不安、世界的なリセッション(景気後退)に対する警戒感が強い状況にも変化はない。そして重要イベントを通過しても動意に乏しい状況が続いているが、リスク回避の動きが後退して、前週に比べるとモミ合いレンジをややドル高・円安水準にシフトする形となった。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。
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