日本エンタープライズ:東証アローズで第1四半期連結業績の決算説明会を開催

2011年10月13日 16:20

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

■コンテンツサービス・ソリューション事業共にスマートフォン対応を推進

  モバイルソリューションの日本エンタープライズ <4829> は、10月3日に東証アローズで12年5月期第1四半期連結業績の決算説明会を開催した。

  第1四半期の決算概況について、常務取締役田中勝氏による説明が行われた。

  第1四半期のハイライトにおいては、コンテンツサービス事業は、従来型公式サイトの会員の獲得、新たな市場であるスマートフォンへの対応(既存公式サイトのスマートフォン化、新規アプリの投入、キャリアID引継ぎ準備)を進めてきた。

  ソリューション事業は、コンテンツサービス事業と同様に、スマートフォン対応として、スマートフォン関連の案件(アプリ・サイト制作)が増加・顕在化している。また、携帯電話販売代理店との協業を強化しており、携帯販売代理店でのコンテンツ販売の拡大を図っている他、携帯電話販売店の来店客の囲い込み策支援強化、共同事業の推進を進めてきた。

  海外事業は、中国、インドのいずれにおいても3G(第3世代の携帯電話)の本格普及を見据えた取組を進めており、中国においては、電子書籍事業の強化、インドにおいては新規アプリの投入等を進めてきた。

■第1四半期連結業績はコンテンツサービス事業、ソリューション事業共に増収で、増収大幅増益

  連結損益計算書の概況においては、2012年第1四半期の売上高は、631百万円、前年同期比13.3%増となった。(内訳はコンテンツサービス事業309百万円、同10.0%増、ソリューション事業321百万円、同16.6%増。)売上総利益359百万円、同10.7%増、販売費及び一般管理費290百万円、同2.9%増、営業利益69百万円、同61.6%増、経常利益72百万円、同66.8%増、純利益40百万円、同237.4%増となり、前年同期比でいずれも増収大幅増益となった。

  コンテンツサービス事業のジャンル別売上高は、「海外」13百万円で前年同期比31.1%増、「その他」50百万円、同182.9%増、「ゲーム」15百万円、同10.7%減、「メール・カスタム」103百万円、同1.1%増、「音楽」127百万円、同53%減となった。最も伸びている「その他」は、今年2月からスタートした電子書籍のコンテンツであるケータイ書店Booker'sが含まれている他、女性向け健康サイトである"キレイ・リズム"の伸長が寄与している。月額課金の公式サイトについては、スマートフォンへの移行の流れの中、足元状況は若干減収となっているが、その他の事業でカバーしている状況である。

■ソリューション事業の広告は店頭アフェリエイトの拡大により増収

  ソリューション事業のジャンル別売上高は、「海外」7百万円、前年同期比157.7%増、「広告」67百万円、同32.7%増、「物販」30百万円、同218.8%増、「MSP」21百万円、同1.8%増、「ソリューションコンテンツ」57百万円、同9.7%減、「ソリューション」137百万円、同7.5%増となっている。「広告」の増収は店頭アフェリエイトの拡大により増収となった。「物販」は、子会社アットザラウンジのCD販売が好調な事から大幅増収となった。「ソリューション」の増収は、スマートフォンへの対応案件が増えたことによるものである。

  売上原価(率)は271百万円、43%。前第4四半期より10百万円増となっているが、原価率は変化していない。これは、広告、物販の売上増に対し、制作費のコスト削減で吸収しているためである。

  販売管理費は290百万円で、その内訳は広告宣伝費29百万円、その他260百万円。前第4四半期と比較すると13百万円増。これは8月に株主総会関連の費用が発生したためである。しかし、販管費率は46%と前第4四半期の45%とほぼ変わりなく、むしろ、前第1四半期の販管費率51%と比較するとコスト削減が実現できたといえる。

  経常利益(率)は、前第4四半期71百万円、11.7%、今第1四半期72百万円、11.5%となっており、引き続き経常利益率11%台を確保しており、徐々に高めていく計画である。

■期初より大きなテーマとしてスマートフォン対応を掲げて取組む

  続いて、ソリューションビジネス部長の前川享氏より、国内事業の概況について説明が行われた。

  コンテンツサービス事業においては、期初より大きなテーマとしてスマートフォン対応を掲げてきた。特に「会員引継ぎ」と「キャリア課金の決済対応」を取組んでいる。現在、フィーチャーフォンのサイト会員であるお客様は、機種変更するとその場で強制的に会員を退会されるが、年内にドコモ、KDDIが、それぞれスマートフォン用に新しいメニューリストを設けることになっているため、フィーチャーフォンで月額課金を行っているサイトをスマートフォンのサイトとして会員引継ぎを行い、月額の課金ができるようになる。よって、今後はデコメ、音楽、占い等、当社が得意としてきた分野について、多くの会員を獲得できるように取組んでいく。

  また、従来のフィーチャーフォンでは取組みにくかった「生活、実用系」ジャンルを積極的に展開していく。スマートフォン向けのプラットフォームの誕生により、アプリの流通網が整備されたため、グローバル市場へアプリ流通を促進させる。

  ソリューション事業については、企業においてもスマートフォンを使った課金のサービスや商品の訴求の需要が大きくなっている。当社においてもスマートフォン関連の制作・開発等受注が増加している他、ユーザーサポートサービスや端末のデバッグサービスにおいても、スマートフォン関連の受注や引き合いが増加している。

  また、携帯電話販売代理店様との協業(店頭アフィリエイト)を、引き続き強化していく。スマートフォン向けのアプリやサイトの獲得件数が今年4月は全体のうち2%であったのが、8月は47%となり、9月にはフィーチャーフォンの獲得件数を上回る勢いで大幅に伸びてきている。そのため、店頭でのスマートフォンのオペレーションを短縮するためのソリューション提供をはじめ、スマートフォンを使ったポータルアプリや物販サービス等各種サービスの強化を行っていく。

■将来的には日本の書籍・コミックも配信することも視野に入れ、「中国軽工業出版社」と業務提携

  海外事業について、代表取締役社長植田勝典氏より説明が行われた。

  中国とインドで事業展開を図っているが、特に中国においては、雑誌、書籍等多くの版権を持っている「中国軽工業出版社」と、子会社である因特瑞思(北京)信息科技有限公司が業務提携を締結した。国営の出版社と組むことにより、版権の獲得が進むと目論んでいる。日本の出版業界においても、中国軽工業出版社は非常に有名であり、将来的には日本の書籍・コミックも配信することも視野に入れ、同社と業務提携を行った。日本企業でデジタル化の電子出版を、初めて成功させるべく、取り組んでいる。

  更には、チャイナテレコム、チャイナユニコム、チャイナモバイル等キャリアに対しての電子コミックのポータルサイト漫魚のコミックストアを強化している。主に有料版を展開してきたが、無料版のニーズが高いため、広告収入のモデルも構築している。3G端末も増えてきているため、このチャンスに電子出版で収益をあげていきたいと考えている。

  また、インドにおいては、3G端末の普及を見据え、インドで有名な雑誌を発行している出版社MAGNA社と電子書籍を提供する契約を締結した。インドでは初めての電子書籍の出版となる。

  今後、中国、インドのみならず、他の国でも、コンテンツ配信を目論んでいるので、海外事業についてもご期待いただきたい。

  今期の業績見通しは、上期売上高1,270百万円、前年同期比12.7%増、通期売上高2,830百万円、同19.4%増、経常利益は上期100百万円、同8.6%減、通期300百万円、同6.0%増と見込んでおり、計画通り進んでいる。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

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