【外国為替市場を検証:ユーロ・円相場】一時1ユーロ=101円90銭台まで円が上昇

2011年10月1日 16:38

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

【外国為替市場フラッシュ:9月26日~30日の週のユーロ・円相場】

■概ね1ユーロ=103円台~104円台

  9月26日~30日の週のユーロ・円相場は、ギリシャのデフォルト(債務不履行)懸念、ユーロ圏のソブリンリスクと金融システム不安、さらにユーロ圏のリセッション(景気後退)懸念が強まり、週初はユーロ売りが加速した。26日の東京市場では、01年6月以来となる1ユーロ=101円90銭台まで円が上昇した。その後はユーロが買い戻され、概ね1ユーロ=103円台~104円台で推移した。

  ユーロ・円相場の1週間の動きを振り返ってみよう。前週末23日(東京市場は休場)の海外市場では、格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスによるギリシャの大手銀8行の格付け引き下げなどを受けて、1ユーロ=102円30銭台まで円が上昇した。その後は、ECB(欧州中央銀行)による利下げやEFSF(欧州金融安定基金)の枠組みを超えた資金供給の噂が広がり、ユーロが買い戻されて1ユーロ=103円70銭台まで円が下落した。G20(20カ国・地域)財務相・中央銀行総裁会議が緊急声明を発表したが、目新しい具体策がないとして市場の反応は限定的だった。

  週初26日の東京市場では、ユーロ売りが加速して一時1ユーロ=101円90銭台まで円が上昇した。01年6月以来のユーロ安・円高水準だった。ギリシャ財務相の「9月末までの調達目標17億ユーロに対して14億ユーロしか調達できていない」との発言、独財務次官の「10月3日の次回ユーロ圏財務相会合までにギリシャへの第6次融資が決定されるとは予想していない」との発言、格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)によるEFSF債格下げの噂で警戒感が強まった。終盤は1ユーロ=102円台半ばに戻した。26日の海外市場では、1ユーロ=102円台半ばでスタートした後、EFSFの機能拡充に対する期待感で欧州株式市場が上昇し、これを受けてユーロが買い戻され、1ユーロ=103円30銭近辺に円が下落した。

  27日の東京市場では、1ユーロ=102円80銭近辺~103円50銭近辺で推移した。ユーロ買い戻しがやや優勢だったが、ドイツとギリシャの首脳会談を控えて様子見ムードも強めた。27日の海外市場では、ユーロ買い戻しが優勢になり、1ユーロ=104円90銭台まで円が下落する場面もあった。欧州や米国の株式市場の上昇でリスク回避の動きが後退した。終盤は1ユーロ=104円50銭近辺だった。

  28日の東京市場では、1ユーロ=104円30銭~40銭近辺でスタートした後、1ユーロ=103円70銭~80銭近辺に円が上昇した。イタリアの国債入札、フィンランド議会でのEFSFの機能拡充に関する法案採決などを控えて警戒感を強めた。ただし終盤は1ユーロ=104円20銭~30銭近辺だった。28日の海外市場では、1ユーロ=103円50銭~104円50銭近辺で推移した。欧州や米国の株式市場の下落を受けて、終盤はユーロ売り・円買いがやや優勢になった。フィンランド議会がEFSFの機能拡充に関する法案を可決したが、市場の反応は限定的だった。

  29日の東京市場では、EU(欧州連合)、ECB(欧州中央銀行)、IMF(国際通貨基金)のトロイカ合同調査団のギリシャ訪問を控えて警戒感が強まり、序盤は1ユーロ=103円30銭台に円が上昇した。しかし、ドイツ連邦議会でEFSFの機能拡充に関する法案が可決される可能性が高いとして、ユーロ買い戻しが優勢となった。終盤には1ユーロ=104円40銭台まで円が下落した。29日の海外市場では、ドイツ連邦議会でEFSFの機能拡充に関する法案が可決されたことを受けて、序盤に1ユーロ=104円90銭台まで円が下落した。その後は材料出尽くし感でユーロ売り・円買いが優勢となり、1ユーロ=103円90銭台に円が上昇する場面もあった。終盤は1ユーロ=104円40銭~50銭近辺となった。

  30日の東京市場では、1ユーロ=103円50銭近辺~104円30銭近辺で推移し、ユーロ売り・円買い優勢だった。EU、ECB、IMFのトロイカ合同調査団のギリシャ査定、フランスとギリシャの首脳会談などを控えて、ユーロ買い戻しが一巡した。終盤は1ユーロ=103円70銭~80銭近辺だった。30日の海外市場では、ユーロ売り・円買いが優勢となり、終盤は1ユーロ=103円10銭近辺に円が上昇した。29日の連邦議会でEFSF機能拡充案を可決したドイツが、今後のEFSFの追加拡充案の可決に否定的な姿勢を示したため警戒感が強まった。またユーロ圏9月消費者物価指数速報値が3.0%上昇と8月の2.5%上昇から拡大して市場予想も上回ったため、ECBの利下げ観測が後退して株式市場が軟調だったこともユーロ売りにつながった。

  ギリシャのデフォルト懸念、イタリアやスペインへの波及懸念など、ユーロ圏のソブリンリスクと金融システム不安、さらにユーロ圏のリセッション懸念でユーロ安の状況が続いている。ギリシャに対する次回融資問題では、EU、ECB、IMFのトロイカ合同調査団によるギリシャ査定が行なわれ、その報告書に基づいてユーロ圏財務相会合で決定される予定だが、10月上旬の融資という当初のスケジュールが遅れる模様であり、不透明感も増している。29日にはドイツ連邦議会がEFSFの機能拡充に関する法案を可決したが、EFSFの機能拡充にはユーロ加盟国の全会一致の同意が必要となるため、加盟国での採決が終了する10月中旬までは安心できないとの見方が広がった。さらに今回の拡充案が各国で承認されても、債務国救済には規模的に不十分という見方が優勢だけに、警戒感を引きずる可能性が指摘されている。したがって、ギリシャのデフォルト懸念や金融システム不安の落ち着きが焦点という状況に変化はない。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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