【外国為替市場を検証:ドル・円相場】ユーロ売りが加速もドル・円相場への影響は限定的

2011年10月1日 16:38

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

【外国為替市場フラッシュ:9月26日~30日の週のドル・円相場】

■週末30日の海外市場では1ドル=77円10銭台まで円が下落

  9月26日~30日の週のドル・円相場は、概ね1ドル=76円20銭台~77円10銭台の小幅レンジで推移した。重要イベントの米FOMC(連邦公開市場委員会)(20日~21日)を通過しても、膠着感の強い展開が続いている。また週初には、ギリシャのデフォルト(債務不履行)懸念でユーロ売りが加速したが、ドル・円相場への影響は限定的だった。

  ドル・円相場の1週間の動きを振り返ってみよう。前週末23日(東京市場は休場)の海外市場では、リスク回避の円買いで1ドル=76円10銭台に円が上昇した後、終盤には米長期金利の上昇や円売り市場介入への警戒感で、1ドル=76円60銭~70銭近辺に円が下落した。G20(20カ国・地域)財務相・中央銀行総裁会議が緊急声明を発表したが、目新しい具体策がないとして市場の反応は限定的だった。

  週初26日の東京市場では、序盤はドル買い・円売りがやや優勢だったが、日本の輸出企業のドル売り・円買いやリスク回避の動きなどで、1ドル=76円20銭近辺に円が上昇する場面があった。終盤は1ドル=76円50銭近辺に戻した。26日の海外市場では、概ね1ドル=76円20銭~50銭近辺のレンジで推移し、方向感に欠ける展開だった。米8月新築一戸建て住宅販売は前月比2.3%減少し6カ月ぶりの低水準だったが、市場の反応は限定的だった。

  27日の東京市場では、概ね1ドル=76円20銭台~40銭台で小動きだった。序盤は日本の輸出企業の円買いがやや優勢だったが、終盤はリスク回避姿勢の後退でドル買い戻しがやや優勢だった。27日の海外市場では、1ドル=76円30銭台~90銭台で推移し、終盤はドル買い戻しが優勢になった。欧州や米国の株式市場の大幅上昇を受けてリスク回避姿勢が後退した。米7月S&Pケース・シラー住宅価格指数が市場予想ほど下落しなかったことや、米9月消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)が、市場予想を下回ったが8月に比べて小幅に改善したことも、ドル買い戻しにつながった。

  28日の東京市場では、1ドル=76円70銭近辺でスタートしたが、日本の輸出企業の円買いなどでジリジリとドル安・円高方向に振れ、終盤には1ドル=76円30銭~40銭近辺に円が上昇した。28日の海外市場では、1ドル=76円30銭~60銭近辺で推移した。29日のドイツ連邦議会でのEFSF(欧州金融安定基金)の機能拡充に関する採決を控えて様子見ムードを強めたが、終盤はドル買い戻しがやや優勢になった。米8月耐久財受注が前月比0.1%減少して市場予想を下回ったことの影響は限定的だった。

  29日の東京市場では、1ドル=76円40銭~60銭近辺の小幅レンジでモミ合う展開だった。ドイツ連邦議会でのEFSFの機能拡充に関する法案採決、EU(欧州連合)、ECB(欧州中央銀行)、IMF(国際通貨基金)のトロイカ合同調査団のギリシャ訪問を控えて様子見ムードを強めた。29日の海外市場では、ドイツ連邦議会がEFSFの機能拡充に関する法案を可決したこと、米4~6月期実質GDP(国内総生産)確定値が上方修正されたこと、米新規失業保険申請件数が市場予想以上に改善したことを受けて、一時1ドル=77円00銭台に円が下落する場面もあった。終盤は1ドル=76円70銭~80銭近辺で推移した。

  30日の東京市場では、1ドル=76円50銭~80銭近辺で推移した。序盤は日本の輸出企業によるドル売り・円買い需要がやや優勢だったが、終盤はユーロ売り・ドル買いの流れが波及し、ドル買い戻しが優勢となって1ドル=76円70銭近辺だった。30日の海外市場では、1ドル=76円台後半でスタートし、その後1ドル=77円10銭台まで円が下落した。日本の輸出企業によるドル売り・円買い需要が一巡したうえに、米9月シカゴ地区購買部協会景気指数が60.4に改善して市場予想も上回ったこと、米9月ミシガン大学消費者信頼感指数確報値が59.4と速報値の57.8から上方修正されたことも、ドル買い戻しにつながった。

  ギリシャのデフォルト懸念、ユーロ圏ソブリンリスクと金融システム不安、世界的なリセッション(景気後退)に対する警戒感が強い状況に変化はない。そしてドル・円相場は、リスク回避のドル売り・円買い圧力、量的緩和策第3弾(QE3)に対する思惑、円売り市場介入への警戒感などが交錯し、概ね1ドル=76円台~77円台前半で膠着感の強い展開が続いている。重要イベントの米FOMC(20日~21日)を通過しても、市場の想定どおりとして反応は限定的だった。ソブリンリスクでユーロ売りが加速しても、ドル・円相場への影響は限定的である。次の重要イベントとしては、10月4日のバーナンキ米FRB議長の議会証言、6日~7日の日銀金融政策決定会合、7日の米9月雇用統計などがあるが、重要イベントを通過しても動意付かないという、これまでのパターンが続きそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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