川崎重工、国内初となる発電容量11万kWのガスエンジン発電所建設工事を受注

2011年9月29日 01:56

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 川崎重工業は28日、特定規模電気事業者である日本テクノの「日本テクノ袖ヶ浦グリーンパワー」プロジェクト向けに、「カワサキグリーンガスエンジン」14基からなる発電容量11万kWの発電所建設工事を受注したと発表した。6万kWを超える発電所がガスエンジンのみで構成されるのは、国内では今回が初めて。

 今回受注した建設工事は、発電出力7,800kW、世界最高の発電効率49.0%を誇る高効率タイプの「カワサキグリーンガスエンジン」(KG-18-V)14基で構成される11万kW発電所を、千葉県袖ヶ浦市に建設するもの。同社は、発電所の設計、発電機器の供給および据付、土木建築からなる建設工事一式をフルターンキー方式で請け負う。同発電所の引き渡しならびに稼動開始は、2012年夏の予定。

 日本テクノは、高圧電力需要家に対して保安・省エネコンサルを行う独立系の電気サービス会社であり、2009年6月からは高圧電力需要家向けに電力小売を行う特定規模電気事業を展開している。

 これまで、販売する電力は、主に電力卸売事業者や卸電力取引所などの外部から調達していたが、昨今の電力需給状況における電力安定供給の継続と、来夏以降も続くとされる電力需給逼迫の解消に貢献する目的で、今回11万kWの自社発電所の建設を決定した。

 同社が自社開発した「カワサキグリーンガスエンジン」は、発電効率48.5%の標準タイプ、発電効率49.0%の高効率タイプという2タイプを取り揃えており、両タイプともNOx排出量200ppm以下(O2=0%換算)の低排出量を誇る、経済性・環境性に優れた画期的なガスエンジン。同じ出力クラスのガスエンジンと比較して燃料費を5%以上削減することを可能とし、またNOx排出量が少ないため、全国ほぼ全域で脱硝装置が不要。さらに、軽量・コンパクトであり、電気着火方式の採用により液体燃料を必要としないといった特長を有している。

 今回の受注は、優れた発電効率・環境性能に加えて、複数台の効率的な運用により、発電所運営面でのフレキシビリティー向上およびリスク低減が可能となるなど、「カワサキグリーンガスエンジン」の特性が高く評価されたもの。

 「電力の安定供給のため、中小規模発電所や自家発電設備などの分散型電源に対するニーズが一層高まる中、今後もガスエンジンを始めとした発電設備の提供・販売に取り組み、エネルギー・環境ビジネスを積極的に展開していく」と同社はコメントしている。

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