【外国為替市場を検証:ドル・円相場】ドル・円相場は概ね1ドル=76円台で高止まり

2011年9月24日 19:42

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

【外国為替市場フラッシュ:9月19日~23日の週のドル・円相場】

■円の高止まり状況が続く

  9月19日~23日の週(19日と23日の東京市場は休場)のドル・円相場は、概ね1ドル=76円台の小幅レンジで推移し、円の高止まり状況が続いている。重要イベントの米FOMC(連邦公開市場委員会)(20日~21日)では、保有する米国債の年限を長期化することで長期金利抑制を狙う「ツイスト・オペ」の導入を決定したが、ほぼ市場の想定どおりだったため、ドル・円相場への影響は限定的だった。また、ギリシャのデフォルト(債務不履行)懸念でユーロ売りが加速したが、ドル・円相場への影響は限定的だった。

  ドル・円相場の1週間の動きを振り返ってみよう。前週末16日の海外市場では、概ね1ドル=76円60銭台~90銭台で推移した。米9月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値(57.8)が前月比2.1ポイント上昇して市場予想も上回り、ユーロ圏財務相会合でギリシャ支援継続の方針が確認されたため、ドル買い戻しがやや優勢となる場面もあった。ただし米FOMCを控えて様子見ムードを強めた。

  19日(東京市場は休場)の海外市場では、一時1ドル=76円30銭台に円が上昇した。米FOMCを控えて小動きだったが、EU財務相会合(16日~17日)でギリシャのデフォルト回避に向けて具体案が示されなかったことを嫌気して、ユーロ売りとなった流れが波及した。欧州や米国の株式市場の急落もリスク回避の円買いにつながった。終盤は1ドル=76円40銭台~60銭台で推移した。

  20日の東京市場では、概ね1ドル=76円50銭~60銭近辺でモミ合う展開だった。格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)によるイタリア国債格付け引き下げなどで、ややドル売り・円買い優勢だったが、米FOMCを控えて小動きだった。20日の海外市場では、1ドル=76円40銭台~70銭台で推移した。米FOMCでの追加緩和観測やS&Pによるイタリア国債格付け引き下げなどで、終盤はドル売りがやや優勢だった。米8月住宅着工件数は前月比5.0%減少したが、着工許可件数が前月比3.2%増加したため強弱感が交錯し、市場への影響は限定的だった。

  21日の東京市場では一時的に乱高下した。序盤には日本の輸出企業によるドル売りなどで一時1ドル=76円10銭台に円が上昇し、直後には日銀によるレートチェックや円売り市場介入の噂で1ドル=76円80銭台に円が下落する場面があった。その後は米FOMCを控えて、1ドル=76円30銭台~40銭台で様子見ムードを強めた。8月貿易赤字額が市場予想を上回ったが、市場の反応は限定的だった。21日の海外市場では、1ドル=76円20銭台~40銭台でモミ合った後、米FOMC声明の発表を受けて米短期金利が上昇したため、ドル買い・円売りが優勢となって1ドル=76円70銭台に円が下落した。しかしドル買いが一巡すると1ドル=76円40銭近辺に円が上昇した。米8月中古住宅販売件数は市場予想を上回ったが、市場の反応は限定的だった。

  22日の東京市場では、1ドル=76円40銭台~90銭台推移した。序盤は米FOMC声明を受けてドル買いとなった流れが継続して円が下落したが、終盤にかけては日本の輸出企業の円買いやリスク回避の動きで円が上昇した。22日の海外市場では、欧州や米国の株式市場の急落を受けて1ドル=76円10銭台に円が上昇し、その後も概ね1ドル=76円20銭~30銭近辺で推移した。米新規失業保険申請件数は前週比で若干改善したが、市場予想ほど減少しなかったため反応は限定的だった。

  23日(東京市場は休場)の海外市場では、リスク回避の円買いで1ドル=76円10銭台に円が上昇した後、終盤には米長期金利の上昇や円売り市場介入への警戒感で、1ドル=76円60銭~70銭近辺に円が下落した。G20(20カ国・地域)財務相・中央銀行総裁会議が緊急声明を発表したが、目新しい具体策がないとして市場の反応は限定的だった。

  世界的なリセッション(景気後退)やソブリンリスクに対する警戒感が根強い状況に変化はなく、ドル・円相場はリスク回避のドル売り・円買い圧力、量的緩和策第3弾(QE3)に対する思惑、円売り市場介入への警戒感などが交錯し、概ね1ドル=76円台で膠着感の強い展開が続いている。重要イベントの米FOMCを通過したが、市場の想定どおりとして反応は限定的だった。ギリシャのデフォルト懸念や金融システム不安でユーロ売りが加速しても、ドル・円相場への影響は限定的である。次の重要イベントとしては、10月4日のバーナンキ米FRB議長の議会証言、5日~6日のECB理事会、7日の米9月雇用統計などがあるだろう。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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※この記事は日本インタビュ新聞社=Media-IRより提供を受けて配信しています。

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