「素人」を自認する安住財務大臣の「財政方針」はやはり「お子様ランチ風」

2011年9月8日 09:48

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

民主党・3人目の党代表による野田内閣が発足した。一言で言えば「財務省主導内閣」「素人内閣」である。それは財務相と経済財政担当・国家戦略相を見れば明らかである。

民主党・3人目の党代表による野田内閣が発足した。一言で言えば「財務省主導内閣」「素人内閣」である。それは財務相と経済財政担当・国家戦略相を見れば明らかである。[写真拡大]

■「霞ヶ関発・兜町着」直行便

  民主党・3人目の党代表による野田内閣が発足した。一言で言えば「財務省主導内閣」「素人内閣」である。それは財務相と経済財政担当・国家戦略相を見れば明らかである。財務大臣に就任した安住淳氏は自ら、”素人”と公言し、自分は”政局派”だと嘯いた。古川元久経済財政・国家戦略相は財務省出身で、財務大臣が”希望”だったが、年次では”課長クラス”のため、財務相から忌避された模様だ。いずれにしても、財務相の全面バックアップで誕生した野田内閣であることは、今後の経済財政運営、政策で明らかになると思われるので、しっかり検証していかなければならない。さて、その財務省の新大臣になった元NHK記者の安住氏だが、初の記者会見で次のように、記者の質問に答えた。舌は滑らかだが、内容が限りなく薄い。霞ヶ関では、早くも”財務省食堂に出現したお子様ランチ”なる、失礼な流言飛語。少し長くなるがその模様を紹介しておきたい。

 【問】 第3次補正の編成、財源確保、それから円高対策、税と社会保障の一体改革にそれぞれどう取り組むのか。

 【答】 第3次補正の編成は、被災地の皆さんもこの予算を待ち望んでおられるので、是非一日も早く国会に出して成案を得るよう努力をしたい。財源については、まず財務省で努力をして財源の捻出をすると。円高の問題というのは我が国だけの問題ではなく、財政的に非常にアメリカも欧州も厳しい局面の中にあって、複合的な問題があると思う。一方、円高に対する懸念は産業界、また地方に行っても広がっているので、何とか空洞化等の問題が起きないよう、秋の臨時国会に向けて、必要であれば法改正を含めて対応していきたい。

 【問】 財源確保について、捻出出来ない部分については、増税ということになると党内にも慎重な意見があるようだが。

 【答】 これはまず増税ありきではないが、ツケをただ回してというわけにはいかない。被災地の議員として心苦しいお願いではあるが、政治が信頼をされて、こういう使い方をするということを具体的に出していけば、必ず理解をいただけるものだと思う。

 【問】 経済財政政策の要職にこれまで就いたことがないという指摘もあるが。

 【答】 ご存じのとおり、私の得意分野というのは、自虐的に言えば国会対策と安全保障だったわけで、あと放送行政。しかし、今の置かれているこの財政難の状況や厳しい日本の経済状況というのは、常識的な対応をしっかりやっていくということだと思う。出す時は出す、締める時は締める。メリハリの効かせ方をしっかりして財政運営をやっていきたい。総理からはとにかく突破力がないとこの状況を打開出来ないので、国対でやったように、丁寧に粘り強く、したたかに、その国対で法案を通す時努力したその姿勢で、財務大臣をやってほしいということでしたので、私としては、それならばと思っている。また、特例公債の件では、財務省の関係の方々とは付き合いは出来てきたので、そういう点では全く知らないところに来たという感じはなくて、人間的な関係で言えばよく知っている方々がいるから、そういう方々とよく協議をしながら、もちろん知恵もいただいて、色々教えていただきながらやっていきたいと思っています。

 【問】 成長戦略については。

 【答】 いかに雇用を確保して、そして企業の生産性を高めていくか。経営者からはグローバルな時代の中で日本に立地をして、それで利があるというふうに判断してもらえるような国にしていかなければ競争に勝てないと思う。日本列島は東京を中心に富士山みたいになっていまして、名古屋や大阪のような経済圏があればいいですが、ほかの地域に行けば富士山と一緒で、なかなか雇用の力というか、雇う力、産業の力というのが見比べると残念ながら無いわけで、公共投資に頼らざるを得ない部分というのは日本の経済構造の中にはある。出来るだけ規制緩和や税制改正も行って、法人税率の引下げとか、インセンティブをしっかり与えていく政策を出していければいいなと思っています。

 【問】 復興財源とスケジュールについては。

 【答】 5年間で13兆ですね。スケジュールは、これはあまり言うとまた与党や国対委員長にも怒られちゃいますので。ただ、ざっと想像すると、来月中には何とか国会に出して審議いただけるように考えています。

 【問】 為替市場の現状については。

 【答】 円高傾向が非常に続いているということは懸念をしているということです。いろんな要因はあると思いますけれども、やはり我が国の経済にとってこれが続けば、企業は非常に厳しくなるということも現実ですから、注意深く監視をして対応をしていきたいと思っております。

 【問】 来年度予算のメリハリをどうつけていくのか。

 【答】 概算要求基準は一律10%カットという仮置き的な措置をとって、これを基本線としながら、どこを本当に伸ばして、どこを削るかということを十分勘案して、またその財源をしっかり確保して、積むところは積むと。削らせてもらうところは削らせると。メリハリのある対応をしたいと思っております。

 【問】 日銀による国債の直接引受けとか、無利子国債の発行については。

 【答】 野田総理は戦前、戦中の公債の引き受け等が急激なインフレを招いてしまった、現行の財政法上でも、また諸外国の例を見ても、なかなかこの引受けというのは、いわば禁じ手なのかなということを話ししていますが、私も全く同じ認識です。

 【問】 税外収入の課題としてNTTやJT株の売却ということも上がっているが。

 【答】 政府保有株の問題については、具体的にこれをどうするということは私の今頭の中にあるわけではありません。これからいろんな意味で、今までの、それぞれの設立をした会社等々の経緯がありますから、そういうのを踏まえて慎重に対応していきたいと思っています。

 【問】 歳出の削減については。

 【答】 もう一回民主党の政権交代の原点に帰って、来年度の無駄の削減というのを各省に頑張ってもらって、なおかつ行政刷新をもう一回起動させて、歳出の削減というものをトライしてもらいたいと思っています。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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