菅首相の浜岡原発「停止要請」は、果たして英断か拙速か

2011年5月8日 15:06

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

菅首相は5月6日夜、緊急の記者会見を行い、中部電力の浜岡原発の原子炉をすべて停止するよう、中部電力に要請した。現在、「最も危険な原発」といわれる浜岡原発の停止は、「これまでにない安全性を求める政治判断」と、評価する向きもあるが、一方では、「手続きを踏まず唐突」「5月下旬のG8サミットに向けたメッセージ」と批判の声も出ている。

菅首相は5月6日夜、緊急の記者会見を行い、中部電力の浜岡原発の原子炉をすべて停止するよう、中部電力に要請した。現在、「最も危険な原発」といわれる浜岡原発の停止は、「これまでにない安全性を求める政治判断」と、評価する向きもあるが、一方では、「手続きを踏まず唐突」「5月下旬のG8サミットに向けたメッセージ」と批判の声も出ている。[写真拡大]

■「霞ヶ関発・兜町着」直行便

  菅首相は5月6日夜、緊急の記者会見を行い、中部電力の浜岡原発の原子炉をすべて停止するよう、中部電力に要請した。現在、「最も危険な原発」といわれる浜岡原発の停止は、「これまでにない安全性を求める政治判断」と、評価する向きもあるが、一方では、「手続きを踏まず唐突」「5月下旬のG8サミットに向けたメッセージ」と批判の声も出ている。

  だが、「停止要請」の根拠は一体なんだったのだろうか。菅首相は、官邸内での会議で、浜岡原発が東海地震の震源域にあるという「特殊事情」を強調したという。そしてその科学的よりどころを、次のように説明した。

  文部科学省の地震調査研究推進本部の評価によれば、これから30年以内にマグニチュード8程度の想定東海地震が発生する可能性は87%と極めて切迫をしている。こうした浜岡原子力発電所の置かれた特別な状況を考慮するならば、想定される東海地震に十分耐えられるよう、防潮堤の設置など、中長期の対策を確実に実施することが必要だ。国民の安全と安心を守るためには、こうした中長期対策が完成するまでの間、現在、定期検査中で停止中の3号機のみならず、運転中のものも含めて、すべての原子炉の運転を停止すべきと判断をした。

  「文部科学省地震調査研究推進本部」とは聞き慣れない機関名だ。これまで政府の地震対策は地震予知連絡会、気象庁、あるいは防災会議の知見に基づいて行なわれてきたのではないのか。それを、このような重要な判断を行なう時に、これまで知られてこなかった機関の調査結果をもとに行うというのは、判断に苦しむ。「30年以内にマグニチュード8程度の想定の地震が87%」という数字も、他の研究機関のものと比較考量して評価しなければならないところだろう。はじめに「停止」ありきで、数値はそれに最も適した機関からのものを「採用」したと勘ぐられても仕方ないところ。

  いずれにしても、支持を失った首相が何をやっても、世論は付いてこない。福島原発事故での「避難地域指定」「農作物の出荷制限」に続く「拙速」にならないことを祈るばかりだ。極論を言えば、菅首相は原発被害の「見えない恐怖」に怯えているかのようだ。国民の安心と安全を守るのは当然だ。だが、国民がいま危惧しているのは、一国のリーダーの資質だ。全局を見渡し、冷静沈着に最善の策を施せるかどうかだ。まさか、おのれの責任を回避し、延命を図らんがために、強硬策を取っているとすれば、一刻も早く指揮を他の人に渡すべきである。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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