イオン、6月1日から備蓄米を先行販売へ 品川シーサイドなど3大都市圏で

2025年5月31日 19:35

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 イオングループは、政府との随意契約で調達した備蓄米を6月1日から先行販売する。1日からはイオンスタイル品川シーサイド(東京都品川区)、2日からはイオンスタイル幕張新都心(千葉市美浜区)、イオン熱田店(名古屋市熱田区)、イオン大阪ドームシティ店(大阪市西区)で販売を予定している。

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 イオングループはグループ会社のイオン商品調達を通じ、2022年産米2万トンの売り渡しを申し入れ、契約を認められた。調達した政府備蓄米はグループ各社の店舗で販売する予定だが、コメの要望が多い3大都市圏の4店舗で先行販売したあと、全国販売に移る計画だ。

 販売価格は5キロ入りで税込2,138円(本体価格1,980円)。小泉進次郎農林水産相が訴えていた5キロ当たり2,000円台での販売となった。イオンは「グループ一括調達でコスト削減に努め、できる限り手に取りやすい価格にした」としている。

 2024年から続くコメ価格の急騰は一向に止まらず、農林水産省が26日発表した5キロ当たりの平均店頭価格は4,285円に達し、集計を始めた2022年3月以降の最高値を更新した。計3回の入札で合計31万トンの政府備蓄米を放出しているが、効果を上げていない。

 そこで実施したのが、年間1万トン以上のコメを扱う小売大手に対する随意契約での引き渡し。小泉農水相が目標にしていた5キロ当たり2,000円台での6月上旬販売開始が、実現する形になった。一方でこの価格は随意契約で売る政府備蓄米に限られ、一般流通米や入札で売り出した政府備蓄米には適用されない。

 随意契約では、イトーヨーカ堂や楽天グループなど61社に約22万トンが売り出されたが、コメ価格急騰に歯止めを掛けられるかどうかは予断を許さない。(記事:高田泰・記事一覧を見る

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