関連記事
「上場近し」とされる時間貸し駐車場:アキッパが描く今後のビジョン絵図
「空き駐車場」予約で最大手のakippa(アキッパ/アプリ名でもある)は2009年2月、創業者:金谷元気氏が住むワンルームマンションで産声を上げた。
【こちらも】すきまバイト:タイミーの昨秋の株価急落の原因は・・・、若き起業家は常に強気
SOMPOHDや西日本鉄道などと業務提携、存在感を示している。提携企業には保有不動産の有効活用にもつながる。「IPO有力企業」の声が高い。
現業(2014年末で700余だった空き駐車場が、昨年4月末時点で全国に4万件超が確保されている)に辿り着いた、そのプロセスが興味深い。営業代理業で始まったが13年初春、ある出来事が今日のアキッパ設立の契機となった。
金谷氏の2歳下。当時取締役だった松井建吾氏(現Co-Founderとし、金谷氏直轄で特命ミッションを推進)が、「この会社のビジョンはなんですか?」と問いかけてきた。
「ハッ」とした金谷氏は自問自答した。まさに折も折、自宅が偶然にも停電に見舞われた。「電気ってすごい。電気のように“なくてはならぬ”をつくる」を自らに言い聞かせ、会社のミッションとして掲げた。
全従業員が一丸となり「生活をしていて困ること」を、模造紙に書き上げた。そんな中の1つに「現地に行って初めて、駐車場が満車と知るようなのは困る」があった。
調べた。当時、「車の台数8000万台に対し時間貸し駐車場は470万台分」「東京・大阪だけで毎秒9万台以上の路上駐車が発生する」「車の台数に換算すると3000万台以上の空きスペースがあった」。
行きついたのが「空きスペースを有するオーナー」と「(一時的に)駐車したいドライバー」をつなぐサービスだった。
「先行者メリット」や、「メディアでの露出(新聞・TVでの紹介)」も大きい。「ネット広告」などで、オーナー&オーナーをひきつける企業努力もあった。
空き駐車場はアプリ付帯のモバイルで、15分単位・1日単位からの予約が可能。駐車料金は日・駐車希望時間帯により、料金が変わるといった按配。例えば近くに野球場があれば、試合の日・時間帯により駐車料金が異なる。料金はクレジットカードやキャリイア決済。金谷代表は今後を見据えた展開を、こう語っている。
「駐車場だけでなく、人の移動をより便利で快適にするモビリティプラットフォーマーを目指す」。MasSの具現化だ。全ての交通手段による移動を1つのサービスに統合し、ルート検索から支払いまでをシームレスにつなぐ枠組みを確立し進展を図るというのだ。
「電気自動車の充電スポットとしてアキッパに駐車している間に充電ができる」「公共交通機関の廃線で地方の大問題になっている高齢者の移動拠点・起点にも対応したい」etcも、取材時に耳にした。(記事:千葉明・記事一覧を見る)
スポンサードリンク