『ジュラシック・ワールド』新作からエドワーズ監督が降板、AI観の相違が背景との見方も

2026年8月9日 00:24

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記事提供元:Tech Times

映画『ジュラシック・ワールド:リバース』の続編から、ギャレス・エドワーズ監督が降板したことが報じられた。表向きの理由は「創造上の相違」とされている。エドワーズの生成AIに対する肯定的な姿勢と、製作総指揮スティーブン・スピルバーグの人間による創作を重視する立場との違いが背景にあった可能性も取り沙汰されているが、AIが実際の降板理由だったかは確認されていない。次期監督は未定で、ユニバーサルは現在、後任を探している。

■スピルバーグのフランチャイズと監督降板の背景

進化生物学の現実に基づく設定を取り入れ、過去30年間で最も説得力のある科学をジュラシック・フランチャイズにもたらしたギャレス・エドワーズ監督が、『ジュラシック・ワールド:リバース』の続編を監督しないことになった。表向きの理由は「創造上の相違」とされているが、その背景は一見したほど不透明ではない。Colliderは2026年8月6日にこの降板を確認した。

ユニバーサルとアンブリンは同日、「ギャレスと『ジュラシック・ワールド:リバース』で仕事ができたことは、素晴らしい経験だった」という、温かみはあるものの具体性には欠ける共同声明を発表した。スタジオはすでに後任監督の選考を開始している。スカーレット・ヨハンソン、マハーシャラ・アリ、ジョナサン・ベイリーは続投するとみられ、デヴィッド・コープはすでに続編の脚本を完成させている。Varietyは、監督探しが始まったことと、2027年の制作開始が目標とされていることを確認している。

声明では言及されていないが、Deadlineの情報筋が明確にしたのは、このフランチャイズと監督との関係を左右する構造的な事実だ。「一貫して変わらないのは、中核を担うスティーブン・スピルバーグとフランク・マーシャル、そして作品が観客の期待に応えてきたことだ」という。これは新たに生まれた制約ではない。2024年初頭に『ブレット・トレイン』や『デッドプール2』のデヴィッド・リーチ監督が『リバース』から降板した際も、Colliderはスタジオとの「創造上の相違」が理由だと報じていた。リーチのプロデュースパートナーであるケリー・マコーミックは後に、「IP作品やフランチャイズに参加するなら、あらゆる点で正しい理由がそろった、正しいタイミングの正しい作品でなければならない」と、その判断を説明している。

リーチの後任として2024年初頭に就任したエドワーズも、今度は2026年8月に降板することになった。同じフランチャイズ、同じ製作総指揮、同じ構造的力学のもとで、今回はどのような映画を作るかを巡る別の具体的な対立が生じたことになる。

■エドワーズのAI推進発言とスピルバーグの反対姿勢

降板のおよそ10週間前、エドワーズはカリフォルニア州カルバーシティで開催されたAmazon主催のイベントに登壇し、生成AIは「カメラに匹敵するほどのツールになるかもしれないことは明らかだ」「CGIよりも優れたものになる」と語った。

エドワーズの映画制作哲学は、以前から明確だった。彼は『モンスターズ/地球外生命体』(2010年)を5人のスタッフと市販の視覚効果機材で制作した。また、共感を誘うAIを主人公に据えた『ザ・クリエイター/創造者』(2023年)は、AIが脅威ではなく創造の新たな領域になるという、彼自身の確信を土台にしている。2026年5月28日のAmazonのイベントでは、その考えを公の場で詳しく語った。

ハリウッドやテクノロジー業界の専門家を前に、エドワーズは生成AIを「ドラッグでハイになった億万長者の第2班監督」と表現し、拡散モデルの実験に9カ月を費やしたと語った。将来的にはAIを組み合わせたハイブリッドな映画を制作したいものの、技術が安定するのを待っているとも明言した。AIを「手助けしてくれる、とんでもない天才」と呼び、試行錯誤やコンセプトの発見に役立つと説明した。「映画がどうあるべきかを見つけ、それが分かったら、そこから実際に自分の映画として作り始める」という考えだ。

エドワーズは、AIを作者ではなくプリプロダクションのツールとして使うという明確な境界線を引いていた。それでも、AIが「カメラに匹敵する」技術になるという彼の立場自体には曖昧さがなかった。

一方、すべてのジュラシック作品で製作総指揮を務め、情報筋によればその役割で強い主導権を握ってきたスピルバーグは、対照的な見解を明確に述べている。ミシェル・オバマのポッドキャストで、スピルバーグは次のように語った。「私がAIを好ましく思わないのは、AIが一つの立場を担うようになる場合だ。脚本家のテーブルに空席が一つあり、6人の脚本家がいて、その空席の前にコンピューターが置かれ、それが7人目の脚本家になるような状況だ。私は人間の代わりにしようとは思わない。(中略)魂に代わるものがあるとは思わない」

GizmodoもDeadlineも、AIが「創造上の相違」の具体的な中身だったとは確認していない。ただし、複数の情報源がその可能性を推測している。確認されているのは、映画制作におけるAIの役割を公の場で積極的に評価していた監督が、AIは創作における人間の魂を代替できないと公言するプロデューサーとの制作関係に約10週間向き合い、その後プロジェクトを去ったということだ。

■シリーズが描く科学的リアリティと「適応度地形」

新監督に何が求められるかを考える前に、このフランチャイズの科学が本来何を扱ってきたのか、そしてなぜエドワーズによる作品が、科学的に見てシリーズ史上最も現実に即したものだったのかを理解しておく価値がある。

1993年の『ジュラシック・パーク』の前提、すなわち琥珀に閉じ込められた蚊から恐竜のDNAを抽出し、生存可能な生物を再構築できるというアイデアは、現在の科学的理解では実現不可能だ。DNAは時間とともに劣化し、利用可能な遺伝物質を回収できる理論上の限界は約100万年前までとされる。恐竜が絶滅したのは6600万年前であり、再構築の基になる遺伝物質は残っていない。

『リバース』が静かに、そして巧みに行ったのは、この問題を完全に迂回することだった。物語の舞台をハモンドによる最初の遺伝子工学計画から30年後に設定することで、フランチャイズの前提を「ゼロからの復活」から「すでに存在する遺伝子操作個体群の管理」へと転換した。生物を古代のDNAから改めて再構築する必要はない。前世代の行き過ぎた試みの産物として、すでに存在しているからだ。心臓病治療薬を開発するため、生きた遺伝子操作動物から生体物質を抽出するという製薬ミッションは、オリジナルのクローニング設定にはなかった科学的な一貫性を備えている。

ジョナサン・ベイリー演じるヘンリー・ルーミス博士は、作中で最も科学的に正確なセリフを口にする。「地球の適応度地形は、もはや彼らに適していない」。これは単なる比喩ではない。1932年に生物学者シューアル・ライトが提唱した、進化遺伝学の基礎概念を指している。

適応度地形とは、生物の取り得る遺伝子型を、高さが繁殖上の適応度を表す地形として示したものだ。進化は個体群をより高い場所、すなわち頂点へと向かわせる。地形の形は環境によって決まり、環境が変われば頂点の位置も変化する。かつて頂点だった場所が谷になることもある。

フランチャイズの世界設定は、この考え方を文字通り応用している。中生代の遺伝子テンプレートから作られた生物は、その生化学的性質が適応していない人新世の環境に置かれている。免疫系は現代の病原体株にさらされてきた経験がなく、腸内細菌叢にも現代の獲物と共進化してきた歴史がない。恐竜が孤立した熱帯地域でしか生き残れないという映画の「赤道域のポケット」設定は、適応度地形の考え方を具体化したものだ。

現代の適応度地形研究は、すでに比喩の域を超えている。計算生物学とAIは、実在する生物の経験的な適応度地形を描き出し、適応度の谷に隔てられた複数の局所的な頂点を持つ複雑な遺伝子型空間を、個体群がどのように移動するかを追跡するために使われている。この研究は、抗菌薬耐性やタンパク質工学に直接関係している。

■現実味を帯びる「脱絶滅」技術とシリーズのテーマ

制御不能な遺伝子実験によって生み出された、映画のキメラ型の敵役ディストルトゥス・レックスは、エピスタシスと呼ばれる現実の生物学的問題を芸術的に表現したものだ。エピスタシスとは、ある遺伝子の効果が、別の遺伝子の存在によって変化する現象である。複雑な生物では遺伝子が非線形に相互作用するため、望ましい形質を生み出そうとして一部の遺伝子を編集しても、ゲノムのほかの部分がその変化に予測不能な反応を示す可能性がある。

エピスタシスとは、対立遺伝子の効果を単純に足し合わせた予測から外れる現象ともいえる。単純な世界なら、遺伝子Aを変えれば結果Xが生じる。しかしエピスタシスが働く世界では、遺伝子BとCを元の状態にしたまま遺伝子Aを変えると、BとCがAに予測外の形で作用し、結果Yが生じる。数千もの遺伝子領域が相互作用する大型で複雑な脊椎動物において、驚くべきなのはディストルトゥス・レックスが生まれ得たことではない。インジェン社が作ったほかの生物が、すべてキメラの怪物にならなかったことの方だ。フランチャイズは33年間にわたり、実在する集団遺伝学の問題を描いてきた。観客には、自分たちが見ているものを表現する言葉がなかっただけなのだ。

2025年4月、『リバース』が劇場公開された年に、コロッサル・バイオサイエンスはダイアウルフの表現型上の特徴を示す3匹の子どもの誕生を発表した。ロムルス、レムス、カリーシと名付けられた3匹は、コロッサルの科学者が古代のダイアウルフの遺伝子配列を利用して、ハイイロオオカミのDNAに20カ所のCRISPR編集を施した後、2024年10月に代理母から生まれた。

コロッサルの共同創業者でハーバード大学の遺伝学者でもあるジョージ・チャーチは、これを脊椎動物で行われた精密なゲノム編集としては、これまでで最多の編集数だと説明し、その能力は指数関数的に伸びていると述べた。一方、独立した科学者は慎重な見方を示している。オタゴ大学のフィリップ・セドン教授は、コロッサルが生み出したのはダイアウルフに似た特徴を持つハイイロオオカミであり、表現型上の代替物であって、復活した種ではないと指摘した。

これはまさに、フランチャイズが更新された科学設定の中で示している区別だ。『リバース』の製薬ミッションに登場する動物は、復活した種ではなく、遺伝子操作によって作られた生物である。映画の前提全体が、その違いに依存している。

1993年のフランチャイズが描いたSFと2025年の現実との隔たりは、一つの方向では急速に縮まった。古代DNAとCRISPRを利用して、狙った表現型を持つ生物を作ることは、実際に可能になっている。一方、複雑な生物種をゼロから再構築する真の脱絶滅は、DNAが劣化するという従来からの理由により、依然として不可能だ。2025年の『リバース』が、オリジナルの「復活」という前提から、すでに存在する遺伝子操作動物の製薬利用へと軸足を移したことで、意図せずして科学的により誠実な物語になった。

マイケル・クライトンの根本的な主張であり、すべてのジュラシック作品が何らかの形で繰り返してきたのは、「何かを行う能力があるからといって、それを行う理由にはならない」ということだ。「科学者たちは、できるかどうかに夢中になるあまり、すべきかどうかを立ち止まって考えなかった」というイアン・マルコムの言葉は、常にフランチャイズの道徳的な原動力だった。

「創造上の相違」を理由に2作続けて監督が降板した今回の状況は、同じ構造的対立を小さな形で再現している。問題は、エドワーズが続編の開発にAIツールを導入できたかどうかではない。彼なら導入できただろうし、AIの役割に明確な制限を設けたうえで、慎重に利用しただろう。

問題は、フランチャイズの創作方針を決める側が、スピルバーグが創作の魂と相いれないとみなす技術の早期導入者として、自らを公に位置付けていた監督を望んでいたかどうかだ。この二つの立場を交渉で解決することは難しい。双方の発言は交渉上の条件ではなく、映画制作が何のためにあるかを巡る哲学的な信念だからだ。

技術が検証済みの限界を追い越していくことへの警告を描いてきたフランチャイズが、技術との向き合い方において、製作総指揮が許容できる範囲を先に進んでいた監督と別れた可能性がある。この皮肉が実際の協議の場で意識されていたかどうかは、記録されていない。

■次期監督探しと今後の展望

ユニバーサルの後任監督探しは現在進行中だ。コープの脚本は完成しており、キャストのスケジュールはまだ調整されている。フランチャイズは7本の映画を通じ、5つの異なる監督・キャストの組み合わせを経験してきた。その間も、スピルバーグとマーシャル、そして驚きと恐怖を観客に届けるという要素は変わらず維持されてきた。

次期監督は、科学的前提がいつの間にか大作映画の中でも比較的厳密なものとなったフランチャイズと、オリジナル作品の脚本家による新たな脚本、そしてスカーレット・ヨハンソン、マハーシャラ・アリ、ジョナサン・ベイリーを含むキャストを引き継ぐことになる。

同時に、未解決の問いも引き継ぐ。フランチャイズの次章には、創作過程でテクノロジーに何をさせ、何をさせないかについて、製作総指揮と同じ信念を共有する監督が必要なのか。それともユニバーサルは、再び降板することなく、その制約の中で制作を進められる人物を見つけるのだろうか。

恐竜たちは道を見つけた。フランチャイズは今も、それができる監督を探し続けている。

■注目ポイントQ&A

●なぜギャレス・エドワーズは『ジュラシック・ワールド』の続編から降板したのですか?

ユニバーサルとアンブリンは、詳細を明らかにせず「創造上の相違」を理由に挙げています。エドワーズは2026年5月のAmazonの業界イベントで生成AIを映画制作ツールとして公に支持し、「CGIよりも優れたものになる」と予測しました。一方、製作総指揮のスティーブン・スピルバーグは、人間による創作をAIで代替するつもりはなく、「魂に代わるもの」はないと述べています。この思想的な違いが「創造上の相違」の具体的な中身だったかどうかは確認されておらず、現時点では推測にとどまります。

●『ジュラシック・ワールド』続編の監督は誰になりますか?

2026年8月7日現在、後任監督は発表されていません。ユニバーサルとアンブリンは正式な選考を開始しています。脚本家デヴィッド・コープの脚本は完成しており、スカーレット・ヨハンソン、マハーシャラ・アリ、ジョナサン・ベイリーは続投するとみられていますが、スケジュールはまだ調整中です。制作開始は暫定的に2027年が目標とされています。

●脱絶滅は現実のものとなっており、それはジュラシック・フランチャイズの意味を変えるのでしょうか?

2025年4月、コロッサル・バイオサイエンスは、古代のダイアウルフの配列を利用してハイイロオオカミのDNAに20カ所のCRISPR編集を施し、ダイアウルフに似た特徴を示す動物を誕生させたと発表しました。独立した科学者は、これらを真に復活した種ではなく、絶滅種の特徴を選択的に持たせた遺伝子操作動物、すなわち表現型上の代替物だと説明しています。

この区別は、まさに『リバース』が描いているものです。フランチャイズの恐竜は復活した種ではなく、遺伝子操作によって作られた生物として扱われています。1993年のSFと2025年のバイオテクノロジーの隔たりは一部で縮まり、遺伝子操作された生命を誰が所有するのか、そうした生物にどのような権利があるのか、その利用によって誰が利益を得るのかという問いは、仮定上の問題ではなく政策上の問題になりつつあります。ただし、複雑な絶滅種をゼロから再構築する真の脱絶滅は、依然として実現していません。

●「適応度地形」とは何ですか? なぜそれがフランチャイズの科学にとって重要なのですか?

適応度地形とは、1932年に生物学者シューアル・ライトが提唱した概念で、生物の遺伝的構成と繁殖上の適応度との関係を、高さが適応度を表す地形として示したものです。進化は個体群をその地形の頂点へと向かわせますが、頂点は環境によって決まるため、環境が変わればその位置も移動します。

恐竜が孤立した熱帯地域でしか生き残れないというフランチャイズの設定は、この考え方を直接表現したものです。中生代の遺伝子テンプレートから作られた生物は、現代の適応度地形に構造的に適応していません。免疫系や腸内細菌叢、体温調節の仕組みは、現在とは異なる地球環境に適応したものだからです。適応度地形は単なる物語上の仕掛けではなく、進化生物学に基づく概念です。

元記事: Jurassic World Loses Second Straight Director: Edwards’ AI Stance Clashed With Spielberg

※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。

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