SpaceX、米宇宙軍の機密任務「USSF-432」を打ち上げへ 日本時間11月5日予定

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SpaceXは、米宇宙軍の機密任務「USSF-432」をファルコン9で打ち上げる予定だ。打ち上げ情報サイトNext Spaceflightが11月3日時点で掲載している予定は、日本時間11月5日10時14分となっている。
発射地点は、米カリフォルニア州バンデンバーグ宇宙軍基地の第4東発射施設(SLC-4E)だ。Next Spaceflightは、SpaceXの政府向け衛星基盤「Starshield」を使った、宇宙ベースの探知・目標捕捉を担うSBST分野の衛星群である可能性を挙げている。
■更新された打ち上げ計画
打ち上げ情報サイトSpace Launch Nowによると、予定される打ち上げ枠は11月5日1時14分~5時14分(UTC、日本時間同日10時14分~14時14分)の4時間だ。同サイトの更新履歴では、11月3日、続いて4日を目指していた日程が変更されている。
Next Spaceflightによると、第1段には再使用ブースターB1095を用い、今回が8回目の飛行となる。回収先は太平洋上の無人船「Of Course I Still Love You」が予定されている。同サイトには、SpaceXによる公式中継への案内も掲載されている。
Space.comの打ち上げ報道によると、同基地では8月16日のUSSF-366、9月10日のUSSF-153、9月17日のUSSF-259、9月26日のUSSF-385、10月16日のUSSF-481と、機密任務が相次いだ。日付はいずれもUTCで、USSF-432が続けば約3カ月間に6回となる。
■航空目標の追跡とデータ輸送を整備
米宇宙軍の宇宙システム軍団(SSC)は5月29日、宇宙から航空目標を探知・追跡するSB-AMTI計画について、SpaceXに41億6000万ドル(約6570億円)の協定を授与したと発表した。競争方式によるOTA(Other Transaction Authority)を用いた調達で、世界規模で航空目標を継続的に捉える能力の構築を目指す。
SSCによると、SB-AMTIは宇宙のセンサー、安全で高速な通信、地上のデータ処理を組み合わせる構想だ。SBSTの取得責任者代行を務めるライアン・フレイジャー大佐は、配備を急ぐため開発・統合作業を直ちに始める方針を示した。背景には、敵の防空能力が高まる地域でも監視を継続する必要性がある。
SBSTには、追跡データなどを運ぶ通信基盤の整備も含まれる。SSCは5月26日、SpaceXに22億9000万ドル(約3620億円)の固定価格OTA発注を行ったと発表した。「Space Data Network Backbone」は、多数の低軌道衛星を光通信で結び、センサーと指揮系統、兵器をつなぐ構想で、2027年末までに運用可能な試作システムを整える契約だ。
7月29日には、SSCがSBSTを支援するファルコン9の打ち上げ18回を、総額16億ドル(約2530億円)の二つの追加発注としてSpaceXに割り当てた。国家安全保障宇宙打ち上げ(NSSL)フェーズ3・レーン1に基づくもので、すべてバンデンバーグから打ち上げ、2027年末までに完了する計画である。
■レーダーで移動目標を捉える仕組み
航空機や巡航ミサイルなどを追跡するうえで、重要な手掛かりになるのがドップラー効果だ。レーダーが発した電波の反射波は、対象が近づくか遠ざかるかによって周波数が変化する。その変化から、レーダーに向かう方向の相対速度を求められる。
通過する救急車のサイレンが、高い音から低い音へ変わって聞こえる現象にも同じ効果が表れる。レーダーでは、この周波数の変化と距離や方向の情報を組み合わせ、目標を追跡する。
航空機や衛星のようにレーダー自体が動く場合には、地面や海面からの反射にも、その動きに応じた周波数変化が生じる。こうした不要な反射である「クラッタ」から目標を取り出すため、観測側の移動や反射波の到来方向を考慮した処理が重要になる。
電子情報通信学会の解説では、時空間適応処理(STAP)は、アンテナ配列による空間情報と時間方向の情報を併用してクラッタを抑える技術とされる。移動する観測装置から目標を見分けるという、宇宙からの追跡を考えるうえでも参考になる信号処理の考え方だ。
継続的な監視には、衛星の配置も関わる。地球を約90分で一周する低軌道衛星でも、その間に地球が自転するため、次の周回で観測する場所はずれていく。多数の衛星の観測範囲と観測時刻を組み合わせることで、広い地域を高い頻度で捉える設計が可能になる。
■Starshieldが提供する衛星基盤
SpaceXによると、StarshieldはStarlinkの技術と打ち上げ能力を政府向けに活用する事業だ。地球観測、安全な通信、顧客の観測機器などを載せる衛星基盤の提供を主要分野としている。衛星の共通部分を利用しながら、顧客の任務に応じた機器を組み込む仕組みである。
同社は、Starshieldに機密機器の搭載やデータ処理に対応する追加の暗号機能を備えるとしている。また、Starlink由来の衛星間レーザー通信端末を、提携先の衛星に組み込めると説明する。衛星同士でデータを中継できれば、観測地点付近の地上局を経由せずに情報を運ぶ経路を構成できる。
衛星追跡サイトKeepTrackの集計では、2026年10月時点で軌道上のStarshield衛星は239機だった。同サイトは、これらを米国家偵察局(NRO)や宇宙開発庁(SDA)向けの衛星として分類している。Starshieldは、米政府の複数の宇宙任務を支える基盤となっている。
■有人監視機を補完する宇宙のセンサー
航空目標の監視を長年担ってきたのが、早期警戒管制機E-3セントリーだ。米空軍の2023年の資料では、飛行要員3~4人に任務要員13~19人が加わり、無給油で約8時間の任務飛行が可能とされる。公表される飛行上限は2万9000フィート超で、初期作戦能力の獲得は1978年4月だった。
E-3には目標の探知・追跡に加え、航空作戦の指揮管制を支援する役割もある。SSCはSB-AMTIを、従来の航空機による探知を補完する能力と説明している。宇宙のセンサーと航空機、通信・地上処理を組み合わせることで、監視範囲と情報共有の強化を図る。
E-3の退役には議会の条件が設けられてきた。2026会計年度国防権限法は、保有数を16機未満に減らす退役などへの同年度予算の使用を制限し、即応性と任務能力を維持する計画の提出などを例外条件とした。地上目標の監視を担ったE-8CジョイントSTARSは、2023年9月21日に最後の実任務飛行を行い、同年に退役した。
宇宙からの追跡情報を利用する部隊の整備も進む。米宇宙軍は7月31日、スペースデルタ7の第77監視飛行隊を発足させたと発表した。同隊は正式な配備先の承認を待ちながら、ノースダコタ州グランドフォークス空軍基地を暫定拠点として、宇宙から得られる移動目標情報を統合軍へ届ける任務を担う。
米国は並行して、弾道・極超音速・巡航ミサイルなどを対象とする多層防衛構想「ゴールデンドーム」を進めている。トランプ大統領は2025年1月27日に米本土向けの次世代ミサイル防衛を指示し、同年5月20日にゴールデンドームの構想を発表した。
米空軍省の2027会計年度予算要求資料は、SB-AMTIの世界規模の監視能力拡充と低周波帯レーダー開発、Space Data Network Backboneの関連事業について、2026会計年度にゴールデンドーム勘定で開始したと説明している。宇宙で脅威を捉えるセンサーと、その情報を運ぶ通信基盤の双方が、米国の防衛能力整備で重視されている。
元記事: SpaceX to Launch USSF-432 Tuesday, Advancing Space Force Aircraft-Tracking Mesh
※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。
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