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中国初の民間ロケット陸上回収、DJI市販アクションカメラ「Osmo Action 6」12台で記録

ロケットの赤いフィン越しに機体後方を捉えた搭載カメラの映像。上昇する機体の背後に、宇宙の暗闇と地球の丸みが浮かび上がる (Dji.com)[写真拡大]
DJIは2026年8月24日、中国の民間宇宙企業ランドスペース(LandSpace)が開発したロケット「朱雀3号(Zhuque-3)」の第1段に搭載したアクションカメラの映像を公開した。市販モデルの「DJI Osmo Action 6」12台が、打ち上げから第1段の垂直着陸までを機体上から撮影した。
朱雀3号は8月19日午前7時35分(中国時間、日本時間同日午前8時35分)、中国北西部の東風商業宇宙イノベーション試験区から打ち上げられた。第2段は衛星「鴻鵠03(Honghu-03)」を予定軌道へ投入し、第1段は甘粛省民勤県の回収地点へ着陸した。中国の民間企業が、軌道打ち上げに使ったロケットの第1段を着陸脚で陸上回収した初の事例となった。
■市販カメラ12台が打ち上げから着陸まで撮影
DJIが公開した約8分間の映像は、ロケット機体を後方に見渡す位置から撮影されている。発射台を離れて上昇し、第1段が分離後に姿勢を変え、再突入減速、空力飛行、着陸噴射を経て回収地点へ降りるまでが連続して収められた。
朱雀3号は打ち上げから約137秒後に第1段と第2段が分離した。第1段は高高度での姿勢変更、再突入時の推進減速、グリッドフィンを使った誘導、着陸噴射、4本の着陸脚の展開を順に行い、発射地点から約390キロ離れた回収地点へ降りた。
機体には計12台のOsmo Action 6が異なる位置に取り付けられた。DJIによると、カメラ本体には特別な改造を施していない。複数方向から得られた映像は、回収中の機体の状態や各装置の動作を確認し、今後の飛行に向けた分析に利用されるという。
外部カメラは、数値として送られるテレメトリを補う役割を持つ。機体表面の状態、グリッドフィンや着陸脚の展開、噴射中の振動などを映像で確認できるため、回収手順を分析するための資料になる。
■ロケットの表面温度は500度に
DJIの発表によると、朱雀3号では上昇時と帰還時の空力加熱により、ロケット機体の表面温度が約400度から500度に達した。9基のTQ-12A液体酸素・メタンエンジンや飛行中の空力負荷による、高周波で強い振動も発生したという。
一方、400度から500度という数値はロケット機体の表面温度であり、カメラ内部やカメラ設置位置の周囲温度を示すものではない。DJIはカメラ本体が無改造だったとしているが、取り付け部の断熱や遮熱の構造、カメラ本体が実際に達した温度は公表していない。
Osmo Action 6の公式な動作温度範囲はマイナス20度から45度である。このため、今回の映像だけからカメラ単体が500度に耐えたと判断することはできない。それでも、強い振動や急激な姿勢変化を伴う飛行を通じて録画を続け、映像を回収できたことは、機体搭載カメラとしての運用結果を示している。
Osmo Action 6は、1/1.1インチのスクエアCMOSセンサーと、f/2.0からf/4.0まで調整できる可変絞りを搭載する。4:3形式では最大4K・120fpsの動画撮影に対応し、50GBの内蔵ストレージも備える。DJIの映像ブレ補正機能は、上昇、反転、再突入、着陸噴射と姿勢が大きく変化する場面でも、機体と地上の動きを追える映像を残した。
■外部通信に頼らない録画が映像を保持
今回の撮影では、カメラ本体に映像を保存するローカル録画方式も重要な役割を果たした。ロケットは飛行中、地上との通信状態が制限される局面があるが、カメラは映像の送信を前提とせず、内蔵ストレージや記録媒体へ直接保存できる。
DJIは、朱雀3号が通信の制約を受けた区間でも、Osmo Action 6の本体録画によって高精細映像を保持できたと説明している。ここで有効だったのは、特殊な通信技術ではなく、外部回線の状態に左右されず録画を継続する仕組みである。
ローカル録画、映像ブレ補正、飛行中の振動や温度環境に対応する搭載方法を組み合わせたことで、第1段の帰還を機体上から記録できた。通信が途切れ得る環境では、映像をその場で保存し、機体の回収後に取り出す構成が記録の確実性を高める。
■着陸後に出火し、ブースターは転倒
朱雀3号Y2は、鴻鵠03衛星の軌道投入と、第1段の指定地点への軟着陸を達成した。ランドスペースは、飛行試験を成功と位置づけている。
ただし、着陸後には第1段の下部付近で火災が発生した。現地の映像や宇宙専門メディアの報道によると、残留していた液体メタンと液体酸素が燃焼し、着陸脚の一部が損傷したことで機体が転倒した。
DJIが公開したオンボード映像は、着陸脚を展開して機体が接地し、エンジンが停止するまでを捉えている。出火と転倒は、その後に起きた出来事である。
今回の飛行では、所定の地点へ第1段を軟着陸させる技術が実証された。一方、再使用を実際の運用へ結び付けるには、着陸後の推進薬処理、機体の安定保持、点検や整備を経て再飛行できる状態で回収する工程も確立する必要がある。転倒した機体は、再使用に向けた検査や技術分析の対象となる。
■中国初の民間企業による陸上回収
朱雀3号は、全長66.1メートル、直径4.5メートルの2段式ロケットで、主要構造にステンレス鋼を使用する。第1段は9基のTQ-12A液体酸素・メタンエンジンを搭載し、グリッドフィンと展開式の着陸脚を使って垂直に帰還する。
中国では2026年7月10日、国有の中国航天科技集団が開発した長征10号Bの第1段を、洋上の設備に設けたネットで回収している。朱雀3号Y2は、それに続く中国で2例目の軌道ロケット第1段回収であり、着陸脚を使った陸上回収としては中国初となった。
組織別では、ランドスペースはSpaceX、Blue Origin、中国航天科技集団に続き、軌道打ち上げに使ったロケットの第1段を制御回収した4番目の組織となる。着陸脚を使って回収した組織に限れば、SpaceX、Blue Originに続く3番目である。
今回の着陸は、朱雀3号にとって2回目の軌道飛行で達成された。2025年12月の初飛行では第2段が軌道投入に成功したものの、第1段は着陸噴射中の異常燃焼によって回収できなかった。Y2では、着陸噴射に使用するエンジン構成や熱防護、自律安全システムなどに変更が加えられた。
■Osmo Action 6は日本でも公式販売
Osmo Action 6は日本でもDJIが公式販売している。DJI公式ストアでのスタンダードコンボの価格は6万1,270円で、カメラ本体、バッテリー、クイックリリース式アダプターマウント、USBケーブルなどが付属する。
製品の通常用途における主な仕様は、1/1.1インチのスクエアセンサー、f/2.0からf/4.0の可変絞り、50GBの内蔵ストレージ、ケースなしで水深20メートルまでの防水性能などである。動作温度範囲はマイナス20度から45度とされている。
朱雀3号への搭載は、一般利用時の耐熱性能を示す試験ではなく、ロケット側の搭載設計を含む特殊な環境で行われた事例である。今回得られた映像は、民生用カメラを機体の状態確認に利用する発想と、ローカル録画によって飛行全体を記録する方法を示すものとなった。
■注目ポイントQ&A
●Osmo Action 6は500度の高熱に耐えたのですか?
公表された400度から500度という数値は、ロケット機体の表面温度です。カメラ本体や設置位置の温度は公表されておらず、取り付け部に断熱や遮熱が施されていたかも明らかになっていません。そのため、カメラ単体に500度の耐熱性があるとは判断できません。
●カメラにはロケット用の改造が施されていたのですか?
DJIは、12台のカメラ本体には特別な改造を施していないと説明しています。ただし、機体へ固定するブラケットや搭載位置を含む設置方法の詳細は公表していません。
●なぜローカル録画が重要だったのですか?
飛行中に外部通信が制限されても、カメラ本体へ直接記録していれば映像を保持できるためです。機体が回収されれば、通信状態に左右されず記録媒体から映像を取り出せます。
●着陸したブースターは再び飛行するのですか?
着陸後の火災で着陸脚が損傷し、機体は転倒しました。ランドスペースは回収した機体を検査対象としていますが、この機体を再飛行させるという確定的な公式情報は確認されていません。
元記事: Stock $426 Camera Filmed China’s First Private Booster Landing in 500-Degree Heat
※この記事はTech Timesから提供を受けた記事を日本向けに翻訳・編集したものです。
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