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高市政権誕生で注目を集める日本株市場! 今後の展望は?
高市新政権の発足により、日本株市場が再び活気づいている。日経平均やTOPIXは高市政権誕生後に史上最高値を更新し、国内外の投資資金が日本市場へ流入している状況だ。その背景には、高市政権が掲げる経済運営方針「サナエノミクス」が市場参加者の期待を強く刺激している点がある。
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「サナエノミクス」とは、安倍政権下で進められたアベノミクスの方向性を継承しつつ、より積極的に展開する政策である。デフレ脱却と経済成長を最優先とし、金融緩和、財政支出、産業成長戦略という三本の矢を、より強い形で押し進める構想となっている。
高市政権が掲げる重点政策は、責任ある積極財政・金融緩和の継続・官民連携による戦略産業支援である。防衛、半導体、エネルギー、自動車、AIといった、国家安全保障や国際競争力に直結する分野に対し、政府が資金と政策を集中投下する方針を明確に示している。国内のサプライチェーン再構築や研究開発支援が進むことで、中長期的な成長期待を生み出している。
さらに、米中の対立構造が日本の存在感を高めている。米国は、中国との対立が長期化する中で、信頼できる同盟国として日本をより重視しつつある。特に半導体製造機器調達、防衛体制、エネルギー供給など、地政学と産業政策が結びつく分野では、日米協力が強化されつつあり、該当セクターの企業価値の再評価につながっている。
加えて、米国のトランプ大統領と高市首相の親和性にも注目が集まる。トランプ氏は、安倍晋三元首相を「信頼できる友人」として扱い、日米同盟を個人的な関係性によって強固にした経緯がある。
高市首相は、その安倍路線を明確に継承する政治家として位置づけられているため、トランプ政権との思想的・外交的な親和性が高い点が注目されている。対中強硬姿勢、安全保障重視、エネルギーの自給強化といった基本的な政策理念において両者は一致していることから、再び日米協調を後押しする構造を投資家達は期待しているのだ。
しかし、こうした追い風の一方で、リスク要因も存在する。積極財政が長期化すれば、政府債務はさらに積み上がり、財政健全化の課題は重くなる。また金融緩和と財政拡大が同時に続けば、賃金と物価が当初の意図以上に上昇し、インフレ加速や金利上昇による企業収益圧迫が発生する可能性もある。
市場は今後、景気刺激と物価抑制のバランスが取れるかを注視せざるを得ない。
総じて言えば、日本株市場の上昇は、米中対立やサプライチェーン再編といった国際的な環境変化に加え、そうした状況を高市政権の政策が的確に活かすとの期待が評価されている結果である。
ただしその期待を実体的な成長へと結びつけるためには、インフレ管理と財政規律の確保が欠かせず、ここが高市政権にとって最大の試金石となる。(記事:Osaka Okay・記事一覧を見る)
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